昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ゴルフショップで感じたこと

先週土曜日、久しぶりに近所のゴルフショップに出かけた。

そして、余りの様変わり振りに、大きなショックを受けた。

 

20年前は、ゴルフショップは大賑わいだった。

様々なメーカーが新製品を発表し、目新しいモノに目がないゴルフ好き連中が、試打室の前に列をなしていた。

パター売り場では、必ず数人が新製品を手にして、パットのフィーリングを確認してするのが常だった。

クラブを変えればうまくなる。

新しいパターはパットがよく決まる。

そんな幻想に酔ったゴルファーが大挙して押しかけるので、売り場全体に活気があった。

 

ところが今は、広いショップに客がいない。

昔なら最も客足が延びるはずの土曜日、昼ごろなのに、我々夫婦以外はゼロ。

数人の店員が、暇そうに売り場の商品を揃えているだけだった。

 

この原因の最たるものは、若者がゴルフに興味を失ったことだ。

僕が若い頃は、ゴルフは会社員にとって必須の趣味だった。

顧客の接待に役立つだけでない。

実はゴルフは、職場の雰囲気作りにも役に立っていた。

 

ゴルフ部で鍛えた学生は例外だが、ゴルフに関しては基本的に、場数を踏んだ先輩に一日の長がある。

後輩に向かってエラそうに技術指導をして、先輩の威厳を保つことができる。

技術面は些か弱くても、マナーに関して蘊蓄を傾けていれば、やはり後輩からは尊敬の眼差しが向けられる。

ゴルフは、職場内ヒエラルヒーを忠実に確認できるスポーツだった。

 

しかし最近の若者にとって、そんなゴルフの魅力が薄らいでいるらしいのだ。

確かにゴルフは、気軽なスポーツではない。

「天気がいいからゴルフ」は夢の世界で、実際は一か月前からスタートを予約し、例え当日が雨でも強行せざるを得ない。

また最近はかなり安くなったとは言え、やはり他の趣味に比べれば出費がかさむ。

ゴルフや車がステータスだった時代は、もはや過去のことだ。

 

そしてこれはゴルフに限ったことではないが、あらゆる分野で市場構造が変わってきている。

ショップに出かけて、実際に目で見て、手で触って品定めをした上で、購入するスタイルではなくなっている。

多くの顧客はショップでモノを確認し、ネットで購入する。

その方が安いからだ。

ショップにとってはたまったものではないが、それが現実だ。

 

実は、我々夫婦がゴルフショップに赴いたのも、クラブを買うためではない。

妻がメルカリで販売したゴルフクラブを送るための、空箱を貰うためだ。

ショップにとっても廃棄物が減るので歓迎なのだが、それ以上の購買欲を掻き立てるモノがない。

少々後ろめたいので、何か小物でも買おうと思い、妻は特売コーナーのゴルフ用手袋を購入していた。

 

アマゾンを始めとする通販ショップは絶好調だが、ショップは受難の時代だ。

こんな買い方の変化は、世の中全体にとってプラスではない。

少々のコスト高には目をつむり、近所のショップとの共存を目指す姿勢が必要なのはわかっている。

しかし背に腹は代えられない。

厳に少しでも安ければ、やはりネットを利用する自分がいる。