♫光の国から僕らのために、来たぞ我らのウルトラマン!
♫来ったぞ、来たぞ あられちゃん!
歌を歌いたくなるような通知が来た!
武漢肺炎の、ワクチン接種通知だ。
まるで鹿ケ谷での平氏打倒の密儀がバレ、鬼界ヶ島に流刑された俊寛僧都と藤原成経、平康頼が、ご赦免船を待ちわびたように、一日千秋の思いで待っていた通知だ。
表書きは「新型コロナウィルスワクチン接種のお知らせ 接種券等在中」。
実に厳かだ。
「妻よ、我々もこれで、生き延びることができるぞ!」
思えばこの一年間は、風邪をひかぬよう細心の注意を払った生活だった。
人が集まる場所では、嫌々ながらもマスクを着用してきた。
そもそも、外出を控えるようになってしまった。
昨年5月の海外旅行も、今年4月の東北花見旅行も、自重してキャンセルした。
日本国民全体が、ひたすら穴倉生活を余儀なくされてきたのだが、ワクチンを射ちさえすれば、武漢肺炎なんて恐るに足らず。
さてさて、いつの日に接種できるのかな?
そんな期待感一杯で、通知の封を開けてみた。
中には、資料がいっぱい入っている。
特に大事そうな「新型コロナウィルスワクチン接種のお知らせ」には、赤字、赤枠で「新型コロナウィルスワクチンをうけられます。費用負担はありません」とある。
「あなたのID 00*********」で、第一回目、第二回目の接種券がついている。
しかも、ワクチンはファイザー製。
手配が遅れた韓国は、アストラゼネカ製ワクチンを接種する予定だが、あの文在寅がインチキして、ファイザー製を接種したと噂された。
文在寅人気はガタ落ち中だが、その原因の一つとしてこの噂が実しやかに流れていた。
少なくとも韓国人は、アストラゼネカよりもファイザーが効果があると信じている。
そのファイザー製ワクチンが、タダで摂種できる。
我が自治体よ、ありがとう!
日本政府よ、ありがとう!
そんな感謝の気持ちで、いっぱいになった。
これを持って指定の場所に行けば、晴れてワクチン接種となる!
そう思ったが、別の資料を見ると、どうも様子が違う。
資料「ワクチン接種までの流れ」を読むと、
1.接種可能な時期を確認する
2,医療機関を探す
3,予約してワクチンを受ける
とあり、先ずは接種が可能な時期の確認から始まる。
そして別の資料によると、我が町では「早くて5月後半から接種が始まる」らしい。
実際に送ってきた資料は多いが、何をどうすればよいのか大変分かり難い。
市役所に電話すると「専用電話が設定されたので、そっちにかけてくれ」と冷たい。
「こっちは年寄りで、明日をも知れない不安感で生活しているので」と泣き落とし、何とかやり方を教えてもらった。
その担当者が言うには
1.まだ接種時期は決まっていない
2.決まり次第、個別に通知を送る
3.その日程に沿って、医療機関に予約を入れる
4,そこで接種実行
となるらしい。
要するに
1,いつから接種可能かは全く分かっていない
2,通知を受けて以降、接種日を予約する作業が必要
3,だから、次の通知が来るまでは何もやることはない
4,その通知発送は、早くて5月末
と言うことだ。
マァ期待した分、肩透かしの感が免れない。
一応は、ワクチン接種に向かって進んではいるようだが、まだ後一か月近くは、用心しながらの生活を余儀なくされる。
それでも、今回の流行病(はやりやまい)対策の救世主は、ワクチン以外にない。
ワクチンが必要十分条件かは意見が分かれるが、十分条件であることは間違いない。
贅沢を言えば、切りがない。
通知を受け取って、日本政府にも自治体にも感謝したのだから、一か月間は自主防衛に徹するしかない。