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ウクライナ情勢のネット情報

改めて思うが、ネット社会はよく言えば百家争鳴、普通に見れば魑魅魍魎だ。

ウクライナのキーウからロシアか撤退した事でも、180度違う意見が戦わされる。

 

ロシア贔屓側の一つは、結構有名らしい軍事評論家の意見で

・ロシアがキーウで敗退したとの見方は全く間違い

・ロシアは東部戦線に兵力を集中させる為に計画的に撤収した

・その証拠にロシアは整然と兵を引き、ウクライナは追撃出来なかった

が流された。

これに対して多くの素人たちから

・ロシアは取るものもとりあえず逃げ去ったのではないか

・拷問して殺害したウクライナ市民の死体を放置している

・元々占領していた東部地域を戦果と言い繕って幕引きを図るに違いない

との反論コメントが出ている。

ウクライナとロシアのどっちが有利なのか、各々に確証バイアスがかかり勝手気儘な主張を繰り返している状態だ。

 

ただそんな誰もが、今回のウクライナ戦争がここまで長引き、ロシアがここまでウクライナを攻めあぐねるとは予想していなかったのではないだろうか。

ロシアがウクライナに攻め込んだのが2月24日。

その時点で、ウクライナ軍は勇猛でロシアも苦戦と見ていた評論家は少なかった。

欧米諸国のどの国も、ウクライナ支援の直接軍事行動に参加しないのだから、ロシア敗戦を予測した人は皆無だった。

大半は長くて一週間、早ければ二、三日でウクライナ降伏と見ていた。

また、世界中の反対を押し切って戦争へ踏み切ったロシア・プーチンの非情さと、コメディアン出身のウクライナ・ゼレンスキーとの比較も拍車をかけた。

 

この間のロシア寄りネット情報発信者間では、微妙にニュアンスが二分されていた。

当初話題になったのは、橋下徹テリー伊藤の二人。

・どうせウクライナが負けるのだから、政府は市民の犠牲を避けるべき

・一旦国を捨てて脱出し、二十年、三十年計画で取り戻せばよい

などと、結果的にはウクライナ消滅を早め、ロシアの利益となる噴飯物の意見なので、当然ながら大炎上し総攻撃を受けた。

もう一つは、ロシアにも戦争の理屈があると、直接間接にウクライナの責任を追及するグループだ。

この代表者が鈴木宗男佐藤優、元ウクライナ大使の馬淵睦夫、そして篠原常一郎だ。

彼らも一応は、攻め込んだロシアは悪いと枕詞として言い訳をするが、その返す刀で

ウクライナ政権はネオナチ

・東部のロシア人を殺戮していた

・その国がNATOに加盟すれば軍事バランスが崩れる

ウクライナにはアメリカの生物兵器研究所があった

・テロリスト一掃のためにロシアは侵攻せざるを得なかった

馬淵に至っては、

・ロシアは軍事基地だけを攻撃している

・その証拠にキーウ(キエフ)には攻撃していない

・今回の戦争はアメリカのネオコンウクライナのネオナチが画策した

・二度の世界大戦もネオコンが起こした

などと、堂々と全く頓珍漢な意見を吐いていた。

 

ところがウクライナの英雄的抵抗と、ロシアの見掛け倒しの弱さの所為で戦争が、一か月以上も長期化してきた。

元より短期で片付くと高を括っていたロシアは兵站が続かない。

結果としてロシアはキーウで敗戦に次ぐ敗戦で、とうとうキーウ制圧はギブアップする事態に追い込まれた。

そして4月3日には、ロシアが撤退した後のキーウ市周辺の状況が明らかになった。

それは正視に堪えない光景で、拷問され殺されたウクライナ市民の死体が数百人規模で転がっている。

さすがにアメリカや欧州諸国で新たなロシア制裁が課され、日本も追随した。

それだけでなく、ロシアの行為を戦争犯罪として告発することも検討されている。

ヒットラースターリン毛沢東と並んで、プーチンが歴史に悪名を残す政治家と断罪される可能性が高いのだ。

 

鈴木宗男は、こんなプーチンを「プーチンさんは人情家」と激賞してやまなかった。

どの面下げて言い訳する積りだろう。

また元々ウクライナ側の問題点ばかりを指摘し、ゼレンスキーの無能さを論ってきた篠原常一郎は、ロシアの蛮行が目の当たりになっても尚、ブチャ市内の死体はウクライナ軍の砲撃によるとの新聞記事を紹介している。

自分だけがいち早く収集した積りの情報を、我田引水して論理を組み立てているが、しかし木を見て森を見ない典型だ。

俯瞰して見れば、仮にウクライナ内部に様々な問題があったとしても、ロシアの軍事侵攻を正当化する理由にはならない。

ロシアが軍事に訴えてウクライナを攻めた時点で、ロシアの論理破綻は明らかなのだ。

またロシアの侵略に抵抗するか逃げるかを決めるのはウクライナ国民だ。

橋下や伊藤のように、外野席から「命あっての物種だから逃げろ」などと、余計なお世話をすることなど、ウクライナ国民には迷惑千万な話だ。

 

戦争と言う極限の異常事態が発生すると、それまで隠されていた人間の本質が曝け出される。

国家リーダーの資質もそうだし、日頃評論家だのコメンテータだの、舌先三寸で碌を食んできた連中の内実も暴露されてしまう。

当方にとっては、YouTube秋篠宮家の問題点を連続アップして認知度を上げた篠原常一郎の、情報源の危うさを再認識させられた。

やはりネット情報の半分は、疑ってかからないといけない。