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インドのカースト制

人種差別を公然と肯定する人はほとんどいないはずだ。
同じ国民同士で差別があってはいけないことも、世界中で至って当たり前の常識と思われる。
しかし、インドでは1950年に公式にカースト制度は廃止されているはずだが、現実にはインドの隅々まで厳然として存在しており、他国の人権団体から解決すべき懸案課題と目されている。

カーストは、基本的に、バラモン(僧)、クシャトリア(軍人)、バイシャ(平民、商人)、シュードラ(賤民、奴隷)の四段階だが、他に職業カーストや地域カーストが絡み、千以上(一説には4千)も存在すると言われている。
更には、見ただけで穢れる、触れてもいけない不可触賤民(アンタッチャブル)と言われる人が1億6千万人と日本人合計よりも沢山いる。

もともとヒンドゥーの教えで、人口総数を制限し必要な職能を必要な数だけ制限的に確保する目的だったようだが、人口抑制の目的は、既に現在でも公称11億人であり、近い将来中国を抜く事間違いなしの状況下では全く果たされているとは言えない。
むしろ、国民の85%がヒンドゥー教徒なので、都合よく解釈し差別を固定化してしまっているようだ。

カースト世襲され、就職や結婚にまで影響する等不条理そのものであり、普通に考えればインド国内で差別撤廃を求めた大運動が組織されても不思議ではない。
しかし、インドでは多くの人たちがカーストを実質的に受け入れている。
むしろ、無駄な努力をするよりも、生まれた環境を受け入れ満足しているとしか思えない。
一方、インドで最高峰最難関のインド工科大学生は、滑り止めにハーバードやスタンフォード大学を受験すると言われているほど、インドには飛びぬけて優秀な人材も多い。
しかし最優秀で、インドの矛盾を感じるような人はインドを捨て海外に移住してしまう。

我々の常識では、インドみたいに世界で存在感を増している大国で、今後ともこんなカースト制度が続くものかとの疑問は消えないが、インドで話を聞く限り、インド人自らがカースト制度撤廃を訴えることは今後ともないような気がして不思議で仕方なかった。