昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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世界一うまいラーメンを求めて(その一)

今年の年末と正月は、渡世の義理とやらで、H市まで出向いた。
この町は、遥か昔しばらく住んだ事があり、大変思い出が多い。
夜の8時過ぎに到着、名物ラーメンで腹ごしらえする事にした。
選んだ店は、最近でこそやや落ち目のようだが、五年程前には長蛇の列が連なっていた「一蘭」。
やや遅めの時間の所為か、はたまた最近味が落ちた所為かは分からないがすぐに席に案内される。
そこでやれ、麺の固さ、スープのコッテリ度、秘伝のタレの量、葱の種類等々、やたらと小難しいアンケートに答えなければならない。
一応、この地域特有の替え玉を注文すると、料金はおよそ800円。
まぁ、不味くはないが、感激するほどうまくもない。

今回の最終目的地は、そこから更に1時間ほどかかる田舎町。
この地は、H市時代を更に遡る事10年前まで我が青春の思い出が一杯の町だ。
そこには、当方が世界一美味いと信じてやまない伝説のラーメン屋がある。
そのラーメンを食べるのが、今回の旅で最大の楽しみだ。

期待に胸をときめかせてラーメン屋の暖簾をくぐったのは、2009年最後の大晦日
外には10人以上が並び、店内には40名ほどの客で一杯。
小さなメニューが壁に貼り付けてあるが、ラーメン以外にもチャンポンまで揃っている
賑わっているのだが、昔とはどうも雰囲気が変わっている。
何かがおかしい。
当方の注文は、無論「ラーメン!」
この店で、ラーメン以外を食するなんて邪道だろう。
何せ世界一うまいラーメン屋のはずだ。
しかし周りの客は、チャーハンだの、チャンポンだの、ラーメン以外を様々に注文している。
どうも悪い予感がする。

待つ事数分、当方注文のラーメンが到着。
早速備え付けの紅生姜を焼豚の上に載せ、いざ麺を掬い最初の一口。
まるで同窓会で、遥か昔に憧れていた女性に会う緊張と喜びが走る瞬間だ。
感想は、「ン~ッ、昔懐かしい典型的な豚骨スープの味」だ。
競争の激しい首都圏では味覚が切磋琢磨され、大体において人気店の味付けは大変濃い。
しかしこの店は、そんな新しい味からはかなり違う。
流行からは離れた味なので、恐らく他の地域では人気にならないだろう。
しかし当方にとっては、この味こそが長年恋焦がれ続けたラーメンだった。

そんなこんなで久しぶりに世界一と信じていたラーメンを味わったが、かえって時代の変化を感じてしまった。