昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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民主主義ってソコソコにいいもんだ!

最近ブログで、学生時代に戻ったような議論を繰り返した。
青っぽいテーマで侃々諤々論じるなんて、当方もまだまだ捨てたもんじゃない。
当方その昔から、政治に対しても経済に対して、結構小うるさい男だった。
しかし様々な社会経験を通じて、昔の理屈っぽさが段々変ってきたように感じている。
恥ずかしながら、絶対に自分の意見が正しいと信じていた時期もある。
ディベートに強くなろうと、色々と本も読んだし情報も集めた。
しかし10年前にバリ島を旅行した時の経験で、個人によって価値観が違い、行動の優先順位にも差がある事が分かり、それ以来多様な価値観を理解しようと努力している。

その切っ掛けとは、バリ島で雇ったガイドとの会話だった。
バリは、全体がヒンズー教の宗教的雰囲気に覆われている島だ。
至る所に神様が祭られており、ガイドは「自分は四人家族で年収は70万くらいだが、その半分以上を神様に捧げている」と説明した。
当方大いに驚き、「それじゃ生活が苦しいだろう」と問うと、「イヤ、全然!だって神様は、自分たち家族は死んだ後に素晴らしい生活を約束してくれているから」と答えた。
当方は全くの無宗教で神様の存在すら信じていないが、彼は「インドネシアでは神様を信じる事が憲法で義務付けられている」とも言った。
少なくとも物質的には恵まれていなくても、神様を信じる事で精神的には余裕がある。
これは、当方にとってはカルチャーショックだった。
以来、自分は「神様なんているものか」と信じていても、「神様は絶対に存在する」と信じている他人もいるもので、この二つの考えはどっちも間違いとは言えないのだろうと思い至った。
だから賛否は常に半分半分、自分に味方してくれる人が半分もいれば上出来なのだ。

昨年初めて、日本でも選挙による政権交代が起きた。
民主党政権になれば、自民党政権時代の矛盾が一気に解決されるとの期待感も大きかった。
しかし半年もしないうちに、政権が変わっても大差ない事が分かってきた。
それはそうだろうと思う。
前回の選挙では大差がついたが、それでも民主党にも自民党にも各々に反対の人は半数近くいる。
民主党が駄目なら、他の政党が政権の座に就けばよい。
自民党も駄目」と言われるが、民主党政権誕生までだって50年以上も必要だった。
その間の日本は、良くはなかったが、決定的に破綻したわけでもない。
社会が成長するには時間がかかる。
次に政権担当能力を持った政党が成長するのを我慢強く待つ事も、我々には必要なのだ。

民主主義は、選挙結果で過半数を超えた勢力がその他の主張を切り捨てる制度であり、決して万能ではない。
それでも与党が常に政権を維持できるものではなく、政権交代が起きればまるで逆の政策が実行される。
社会主義独裁政権に比べれば、遥かに健康的な制度だと思う。
そして、世の中に絶対的に正しいものがない以上、制度としては少々問題があろうと、今の社会を運営する上で民主主義以上の政治形態はないと信じている。