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マグロ取引禁止案否決は良かったのかな?

当方、別段マグロがなければ困ってしまうほどの食通ではない。
寿司屋に行っても、高価な「トロ!」を注文する事もない。
確かにマグロは美味いのだろうが、好みでいえば白身の魚の方だ。
それでも、今回ワシントン条約締結国会議で「マグロ国際取引禁止案」が、大差で否決されたのはうれしい。
例によって「絶滅種を守れ」なる世界的な正義の声に、「食文化を守れ」なる日本の主張が退けられると思い込んでいたし、何より形勢も悪いと聞いていた。
何かあると国際ルールをひん曲げて日本バッシングを繰り返してきた国際社会に、一矢報いたような気分だったからだ。
正義の味方のようにマグロ取引禁止を訴えたヨーロッパ諸国は、その腹積りにこの水産資源を自分達で独占したいとの野心があった事も分かってきた。
天網恢恢!
と、溜飲を下げた積りだった。

しかし、赤松農水大臣は今回の決議否決を恰も自分達の手柄の如く破顔一笑だったが、首尾を良く良く聞くと、どうも日本政府の「直前にマグロパーティーを開催した秘策が効果的だった」発表は些か怪しい。
マグロが美味かったから提案賛成から反対に回るとは、いくら何でも単純すぎる。
実は日本政府のロビー活動の成果で自信満々に投票に臨んだと言うより、むしろ水産利権をめぐって水面下で多数派工作を受け持ったのは、この手の動きが得意な中国のようだ。
中国は決議案を否決する為に政治力をふんだんに発揮、予てより関係を強化してきたアフリカ諸国をまとめ上げ、ヨーロッパ、アメリカを一敗地に塗れさせたのだが、その真意は自分の国益の面からマグロ利権を死守したようだ。
ここでも国際社会での、中国の勃興と日本の地位低下を見る思いだ。

資源としてのマグロが、実際に減っているのも事実らしい。
マグロも鯨も日本の食文化の一部かもしれないが、それがなければ生きて行けない程の緊急食物ではない。
であれば、我々はマグロを食い散らすのではなく、「先ず育てる。その後にその一部を食べる」ように方向転換すべきだろう。
一時期マグロ価格が暴騰したのは、中国人が寿司を食べ始めたからとの説があった。
中国がその気になれば、マグロ資源などあっと言う間に食い尽くされてしまう。
日本にとっては、例え取今回引が禁止されなくても、マグロを入手するのはだんだん難しくなりそうだ。

であれば日本として、今後間違いなくマグロの大消費国になりそうな中国に対して、「共に暫くの間、マグロ漁獲を自重しよう」と大人の態度で呼びかけた方が、国際的に見直されると思うのだが。