昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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黄昏営業マンのモットー!

長らくサラリーマンで営業を担当してきた。
今、最終コーナーに突入、ラストスパートのタイミングだ。
様々な難問に直面したが、何とか切り抜けてきた。
とりわけ顧客からの信頼は、作り上げるのには時間がかかるが、壊れるのは簡単。
究極は、個人の人間性に拠る。

理想は顧客とのWin-Win関係だが、現実はそうは簡単にはいかない。
どちらかが得をすれば、一方は損をしている事が多い。
価格交渉などはこの典型で、値上げをすれば供給側に利益が増え、逆に値下げをすれば顧客が有利になる。
無論、スケールメリット等たくさん売れる事でコストが下がる面もあるが、基本は「高く売りたい」と「安く買いたい」の綱引き。
営業の場合、やはり顧客と価格をどのレベルで合意するかが一番大事な仕事になる。

顧客間の価格差も悩ましい。
別段、個別顧客ごとの価格は、オープンになっているわけではない。
また販売価格は、それまでの様々な理由やプロセスを経た上で設定された物なので、違っていても当然なのだが、同じ品物を顧客によって違う価格で販売していると、内心忸怩たるものがあるはずだ。
因みにアメリカでは、数量差とか、距離による運賃差とかで、対外的に説明が出来ないと価格差をつける事が出来ない。
こうした背景の元、供給側と需要家側で様々な交渉が行われるのだが、場合によっては双方にどうしても返答に困ってしまう事が発生する。
本当の事を言えば、相手が怒ってしまう。
あるいは、相手が困ってしまう秘密がある場合もある。

そんな時に質問されたら、黙ってしまうに限る。
少なくとも嘘は言わない事だ。
僕は交渉の時、本当の事を言わない事はあったが、絶対に嘘はつかなかった。
容疑者にだって黙秘権がある。
売る側、買う側が対等な立場の交渉なら、双方に黙秘権はあるはず。
ならばと、「本当の事を言わない」権利を行使しつつも、絶対に嘘はつかない事を自分の仕事上のモットーとして、「その件については、お答えできません」と説明してきた。

長い取引の場合、苦し紛れの嘘がばれると、将来に亘っての信頼を失う。