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千葉法相の死刑執行命令について

死刑制度反対主義者の千葉景子法相が、二人の死刑囚に執行命令を出した事が評判になっている。

何故か、評価する声は圧倒的に少ない。
わが愛読紙、産経新聞は村上智博の署名入り記事で「人の死に政治的演出」と、千葉景子を非難している。
論調は、
・突然の執行命令は臨時国会での追及逃れの思惑があり、死刑囚の命を弄ぶ政治パフォーマンス。
・一方では死刑廃止検討の勉強会も発足、本心は異なる。
・死刑執行された二人は、千葉景子の政治的都合で命を奪われたかのようだ。
・死刑反対の千葉景子を信じ、しばしの安堵を得ていた死刑囚の胸中はいかがなものか。
・異例にも千葉法相は死刑に立会ったが、厳粛な人の死にそんな政治的演出が必要なのか。
・千葉法相は参議院選挙で落選、法務行政に「否」を突き付けられたのに死刑執行は腑に落ちない。
となっている。
山口那津男公明党代表も、同様の見解を述べていた。

僕は死刑制度には賛成しているので、反対論者の千葉景子が法相として適しているとは思わない。
しかしその僕から見ても、産経新聞の署名記事は大変におかしい。
産経新聞は、千葉法相が就任中に死刑を執行しなかったら、必ず絶対に大非難キャンペーンを張るに違いない。
ところが、死刑執行を命じると、政治的パフォーマンスと論う。
要は、民主党のやる事なす事、全部が気に入らない批判の対象となっているに過ぎない。

千葉法相に政治的な思惑がないとは言わないし、本音を言えば政治的パフォーマンスその物かなとも思う。
しかし、政治なんて所詮はそんなものだろうし、今までも任期最後になって死刑執行を乱発したり、あるいはまるで執行命令を出さなかった法相も存在する。
職務を全うした鳩山邦夫は、朝日新聞で「死に神」とまで罵倒されたほどに、法相として死刑執行命令は厳しいものだろう事は想像に難くない。
最後っ屁の様にも感じられるが、死刑制度そのものに反対している千葉景子が、自らの主義主張とは違う死刑を執行命令した事は、法相として褒められる事こそあれ、非難するべきものではない。

産経新聞は、その政治姿勢が極めて旗幟鮮明だ。
現在は民主党批判の大キャンペーン中であり、僕は20年以上その産経新聞を愛読している。
ただ、死刑囚の胸中まで慮って民主党と千葉法相を批判するに至ると、その報道姿勢は扇情的でしかなく、内容も語るに落つる物となる。
他にも、産経新聞には連日のように民主党批判記事が満載されている。
そう頑張らなくても、菅直人民主党政権が崩壊するのに、そうは時間がかからないだろう。
死刑制度に賛成している産経新聞なら、今回の千葉法相の死刑執行命令は評価して欲しいものだ。

ついでに言えば、千葉景子落選は、彼女の法務行政に「否」を突き付けられたと言うのも情緒的過ぎる。
今回の落選は、民主党政治への「否」であり、落選した千葉景子が法相を続けているのは、感情としては腑に落ちないが、法的には何ら問題はない。

産経新聞よ、(そして公明党代表も)、もう少し冷静に!