昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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息子が親父を超えた日

もちろん会社でも、まだまだ若い連中に負けるはずがないと確信してきた。
既に体力では劣っているが、そこは年齢を重ねた技術、別名手練手管を有している。
例えばゴルフ。
ドライバーの飛距離では負けても、二打目、三打目、仕上げのパターでは、若い連中が逆立ちしたって、当方の技術レベルには程遠い。
飛ばないからこそ、正確さでスコアをまとめ上げる。
結論として、当分は優越感を持ちながら生活できる。
そんなはずだった。
しかし最近になって、どうもその自信が揺らぎ始めている。
実に瑣末な事だが、クイズ番組の正解率で、我が息子に負け始めたのだ。

連日、テレビでは、製作費がほとんどかかっていないようなクイズ番組が花盛りだ。
回答者も、いつでも同じメンバー。
大した番組でもないので、チョット要領をつかむと結構正解率が高くなる。
そんな程度なので、余裕綽々。
正解を連発し親父の威厳を発揮、大いに家族の尊敬を集めるはずなのだが、問題が出た途端、我が息子が先に答えてしまうケースが多い。
その度に、「こんな易しい簡単な問題、答える気がしない」と負け惜しみを言うが、内心は穏やかではない。

冷静に考えれば、同居こそしているが既に生計面では独立している息子なので、一丁前の大人になっているのだろう。
しかし父親から見ると、いつまでも足元にまとわりついて甘えていた頃の印象が消えない。
小学校時代には、いくら教えても理解できない息子に情けない思いもしたので、そんな息子が親父を超える時が来るなんて考えもしなかった。
しかし、いつの間にか知らず知らずのうちに彼なりに、努力し、勉強し、経験し、どうやら親父を超える部分を身につけてきたようだ。
馬鹿なクイズ番組だが、そんな事を考えてしまった。

しかし、そうは簡単に兜を脱ぐ訳にはいかない。
息子にとって、親父の壁が高ければ高いほど、それを超えた時の達成感があるはずだ。
たかがクイズ番組とは言え、来週は家族で一番の正解率を叩きだそう。
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」と言うではないか!(チト大袈裟か?)

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