昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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海老蔵の酒癖

聞けば聞くほどに面白い。
人間国宝を自称し、高給取りの自慢する市川海老蔵(ABZ)は、酒癖の悪さでも有名だったらしい。

今回の大怪我事件でも、当初のABZは一方的な被害者扱いだったが、関係者の証言が増えるにつけて、段々怪しくなってきている。
どうやら、ABZの酒癖の悪さが暴力事件の切っ掛けだっただけでなく、先に手を出したのも彼とも言われ始めた。
何でも、相手に灰皿に入れたテキーラを飲む事を強要したり、介抱と称して髪を引っ張ったり、悪態をついたり、酒をかけたりと、やりたい放題だったらしい。
梨園の看板スターの御乱行に、マスコミは当然の如くに、扇情的に面白おかしく一斉攻撃を加える。
ABZの舞台よりも、はるかに騒々しい見せ物が、当分の間は続きそうだ。

ところで、ABZのように酒癖が悪い御仁は、当方の周辺にも結構存在した。
特に、高度成長期の営業屋さんには多かった。
昼間の仕事では剛腕のヤリ手と言われていたが、夜の宴席になると態度が豹変。
飲む量も半端ではなく、且つ飲み方も無茶苦茶。
ABZの灰皿事件のように、自分の革靴にウィスキーを注ぎこみ、同席の同僚や後輩に「さぁ、俺の酒を飲め」と強要する癖があった。
興が乗ると、テーブルに上がり、下半身裸になってしまう。
店員が慌てて止めに来るのが、楽しくて仕方がない。
周りの評判も最悪だが、その割には若手社員に慕われたり、不思議な人気もあった。

しかしそんな悪業が許されるのも、好景気の時だけ。
会社の業績が悪化すると、酒の席も次第におとなしく紳士的に変わる。
コンプライアンス全盛時代の現在は、そんな武勇伝は「昔はナァ」との回顧録として、懐かしく語り継がれるだけとなっている。

そんな時に飛び込んできた、今回のABZの大立ち回り。
ある能力が突出していると、往々にして他の部分では破綻的な性格の人がいるものだ。
日本人が総体的に中級紳士になった現在、さすがにABZは一般大衆とは全く違う感性の持ち主だった事が良く分かる。
ありふれた現実の中で、まるで非日常を演じる役者に対して、当たり前の常識を要求する事は無駄。
ABZの周辺にいた人達は、彼のハチャメチャぶりも含めて付き合っていたはずだと思う。
誰もが納得する、おとなしく良識的なABZになると、彼の魅力は激減すると思うのだが。