昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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鼻持ちならないオトコ

ある会社のエライさんと会食した。
アメリカで大成功を収めた、さる大会社の事業部長さん。
今やエクセレントカンパニーとして、知らない人がいない程有名な会社で、アメリカでの事業立ち上げの苦労話と社長の果断な決断振りは、様々な本で紹介されている。
彼は立ち上げの七年間、将に日本企業の担当者としてアメリカに乗り込み、獅子奮迅の大活躍で社長の目にとまり、帰国後は出世街道まっしぐらのエリート社員らしい。

本郷の古色蒼然とした店で、アンコウ鍋に舌鼓。
酒は、なかなか入手できない「天使の誘惑」。
芋焼酎の40度モノ。
当初はお湯割りの積りだったが、ブランドを聞いた途端「ロックで」と方針変更。
評判の高いアンコウ鍋は初めての経験だったが、確かに美味い。

箸が進む程に酒も回り、和気藹々の雰囲気になる。
お互いに会社員なので、景気問題、環境問題、菅内閣、TPP等々、問題意識も似ている。
大いに盛り上がった頃、彼は、「今の事業をおかしくしたのは私立文系出身達」と言いだした。
かなり大胆な切り口だが、当方にとっては別段目くじら立てる話でもないし、「成程、そんな部分もあるのかな」程度で、いつものように適当な相槌を打つ。
続いて学校の先生について、彼はかなり大胆に切り込んできた。
「自分は○○県の進学校出身だが、この学校で先生になったヤツは成績が300番以下ばかり。要は、学校の先生はアタマが悪いんです」
彼から見ると、私立文系出身者や学校の先生は「出来の悪い連中」のようだ。
酒の勢いで、当方も「そうだ、そうだ、全くその通り!」と無責任極まりない相の手で宴が終了。
「今後とも宜しく!」と、大満足で帰路に就いた。

と、ここまでは何の問題もなかったのだが、後日彼が東大法学部出身者だったことが判明。
そう言えば彼は、帰りのタクシーでしきりに「僕は、その昔この辺に住んでいました」と話していた。
この辺とは東大の近くだったので、彼としては自分の出身大学をさりげなく紹介していたようだ。
そうなると、先の発言は鼻持ちならない。
自分が私立文系出身者ならシャレで済むが、東大法学部出身なら「上から目線」ではないか!
途端に、彼の所作振舞いの全てがエリート臭芬々と感じてしまう。

やはり、実るほど首を垂れる稲穂かな!
エリートは、自らエリートである事を喧伝してはいけない。
他人に持ち上げられても、「いえ、エリートなどとんでもありません」との奥床しさが大事だナァ。