昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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夫婦相和し

尊敬する、知り合いの社長(だった人)は、御年65歳。
つい最近、後進に道を譲り、一年間だけ会長職を引き受けたが、その後は会社から距離を置いて悠々自適の生活をしている。

先代社長が山っ気の多い人で、様々な事業を展開。
しかし、浄水器に手を出したのが致命傷。
当時の技術ではレジオネラ菌発生が防止できず、一気に在庫の山となり倒産の危機に陥った。
心労のあまり持病が悪化、会社の状況が一番厳しい時に急逝してしまった。
先代の妹婿で後を継いだ社長は、ここから本業一本に絞り、拡大していた事業を一気に縮小、大胆に不良資産を処理し、会社をスリム化して生き延びた。
その後は、工場内だけでなく資材購入等あらゆる面で徹底的に合理化を追求、田舎町の地元では一二を争う優良企業となっている。
20年近く社長を続けた後、20歳近く年の離れた後継社長を指名した。
「やっと、良い人物に巡り合えた」
社長は、心底ホッとした表情でそう話した。

この社長は大変な愛妻家で、一緒に酒を飲むと常におのろけを披露する。
「夫婦の仲がいいと、絶対に子供が不良にならない」。
これは、常に一貫してブレない彼の人生哲学だ。
彼曰く、常に夫婦同衾。
朝起きると、必ずチュッ。
子供の前でも、「愛してるよ」を頻発。
日常生活では、常にスキンシップを心がけている。
奥方が傍にいると、顔でも手でも、とにかくどこでも触る事にしているらしい。
そうすると、お互いに刺激し合って、若さを保つ事が出来る。
そして、必ず風呂は一緒。
「君たちも同じだろう?」と問われると、つい、下を向いてしまう。
果たして何人の人が、こんな事を実行しているだろうか。

会社だって同じらしい。
社会生活の単位は、個人から家庭を経て、会社勤務へとつながる。
夫婦が仲良く家庭が円満だと、従業員同士の関係もこじれない。
お互いにコミュニケーションがとれ、会社の雰囲気が多いに良くなる。
その為に率先垂範、従業員に社長の家庭が理想だと思われたい。
この社長自身の夫婦仲の良い家庭は、社員への無言の教育だったようだ。

彼の理屈では、一見無関係のように見えても、家庭が上手くいけば、会社も業績が上がるものらしい。