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福島原発問題の責任の取り方

東電清水正孝社長は、国内外で評判が悪い。
海外では、敵前逃亡の雲隠れと言われ、国内では責任を全うしていない引篭もりと批判される。
結構辛い立場だろうと推測していたら、案の定、高血圧と極度のめまいで入院してしまったらしい。

今の東電は、福島原発処理の誤りで日本中を不安に陥れた、戦犯会社と見られている。
実際に、福島原発への対処は全て後手後手で、且つまるで効果がなかった。
どうやら福島原発存続を優先したので、初動措置が決定的に間違った疑いまで出ている。
同じ穴の狢の民主党菅直人からも露骨に責任転嫁され、東電が諸悪の根源ムードが高まった。
だから、東電社長が心理的に追い込まれていることは、容易に想像できる。
しかし、敢えて東電社長に、
「社長、あなたには会社の長としての組織的責任は大きいが、個人の責任はないはずです」
と励ましてやりたい。

東電ほどの大会社社長が、現場で何がどうなっているかなんか、全部を把握しているはずはない。
何か事件が発生するたびに、「社長を出せ!」と怒鳴り込まれるが、社長は何でも知っているわけではないのだ。
ただ組織としては、現場には現場責任者がいて、そのグループの責任者がいて、と、グループごとにそのトップが責任を取りながら、最終責任は社長にある。
だから今回の福島原発トラブルは、組織人としては厳罰に値するし、社長辞任は避けられない。
このような事態を引き起こした時に、責任を取るために社長は存在するとも言える。
諸先輩のミスや現場のチョンボまで、全ては今の社長に責任があるのは間違いない。
が、本音では「ワタシぁ、何も知りませんでした」と言いたいところだろう。
記者会見で「全ては私の責任です」と謝罪しなければならない役割だが、内心は「あの現場の馬鹿野郎メ」と罵っているのが相場だ。
しかしそれはあくまで内心の話で、組織の長はそれを絶対に口にしても態度に表してもいけない。

これは、国家の長としての責任のとり方についても全く一緒だ。
菅直人が、東電に乗り込んで、その不始末振りを怒鳴りまくった。
自分の責任ではない事を訴えたかったのだろうが、組織の長としてはお粗末そのものだ。
それは見えないところで叱責すべきものなのに、わざわざ責任転嫁のパフォーマンスをやられると組織が動かなくなる。
現に菅直人は、次々と対策チームを立ち上げるが、福島原発問題は悪化の一途をたどるだけだ。

東電の清水社長は、果たしてどこまで図太い性格なのかは知らない。
しかし、ほとんどマスコミに登場することなく病気になったところを見ると、あれほどの大会社の権力闘争を勝ち抜いた人の割には繊細なのかもしれない。
また本来は共に災厄に立ち向かうべき菅直人からは、とっくに三行半を突きつけられている。
であれば、こそこそと入院するのではなく、サッサと辞任するべきだ。

ついでに、福島原発対策でも足手まといでしかなく、国家運営でも怪しげな外国人から政治献金を受けていた菅直人を道連れにしてくれれば、東電社長としてせめてもの罪滅ぼしになる。
政治的にも個人的にも全く信頼感のない菅直人が首相に居座る限り、自民党を巻き込んだ救国大連立内閣はありえないと言われる。
であれば、八方塞りの福島原発問題を解決する為に、現体制を組み直すべきだ。
福島原発の先行きに不安一杯の国民にとっても、周辺住民にとっても、絶対にその方が良い。