昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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なでしこに期待し過ぎるのはやめましょネ

なでしこサッカーのオリンピック出場が決まった。
ワールドカップ優勝に続く快挙で、日本中が大騒ぎ。
誠におめでたい。

ただ厳しい予選だった。
楽勝だったのは、初戦の対タイ戦だけ。
後は、特に韓国戦や北朝鮮戦は、たまたま勝てたが、負けていても不思議ではなかった。
宮間あや選手が、「アジアで勝つ事が難しいのが分かった」とは、見ている方もまさに実感。
それでも、一度も負けていないのだから、やはり実力がある証拠だろう。

佐々木監督は、「予選突破できなければ監督辞任」を覚悟していたらしい。
終わった後のインタビューで、「世界チャンピオンになった後に、オリンピックに行けないような無様は許されないと思った」と話したほどだから、選手にかかったプレッシャーの大きさも想像に難くない。

ただ選手たちは異口同音に、「オリンピックでは金メダルを狙う」と語るなど、いつも健気だ。
見ている無責任観客は、「よし、これで金メダルだ」と勝手に期待してしまう。
しかし、なでしこ連中はワールドカップ優勝で、もう100%以上の満足感を与えてくれた。
何せ日本のスポーツ界で、世界に通用するものなど、数えるほどしかない。
日本が本家の柔道でさえ、今や簡単には優勝できない。
恐らくは、今後ますます厳しい環境になっていくだろう。

大体我々日本人は、一旦世界に通用する人間が登場すると、いつまでもいつまでも活躍し続けると信じ込んでしまう。
だから水泳の北島、ハンマー投げの室伏にしても、引退のタイミングを逃して、「老骨に鞭打って」金メダルを狙い続ける。
選手層が薄いから仕方がないのだろうが、本人達にとっては辛いものがあるだろう。

今回の予選の戦い方を見る限り、なでしこがオリンピックでもう一度奇跡を起こすのは至難だろう。
ワールドカップでは、「少なくともベスト4まで行ってくれれば、」程度の思いが、アレヨアレヨと決勝戦まで駒を進め、神が舞い降りたかのようなプレイの連続で欧米の強豪を打ち負かした。
その再現まで期待するのは、やめておこう。
もう一度、ワールドカップ前の謙虚な思いで、密かに応援した方がよい。

なでしこに金メダルを取ってほしいと日本中が大騒ぎするのは、日本のスポーツの層の薄さの裏返しの様な気がしてしまう。