昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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格差反対デモにハンタイ!

ヒネクレ者の当方、世界に広がる格差ハンタイを訴えるデモが全く理解できない。
無論、格差がよろしくない社会現象な事ぐらいは分かっている。
そんなモノ、無いに越した事がない。
しかし、人間が社会生活を営んでいる以上、そもそも格差の無い社会が存在するはずが無い。
実際に、古の昔から、洋の東西を問わず、格差の無い社会なんて絶対になかった。

人間は能力も個性も、それぞれに違いがある。
狩でも農作業でも、全員が全く同じ収穫を得る事もない。
より多く収穫を得ようとすれば、お互いに任務分担する分業が効率的だが、この際にも貢献度によって収穫の分け前にも差が発生してしまう。
また才能、努力、運、不運によって、成果に差が出るのは仕方がない。
そんな時に、「格差はダメ」と均等配分すると、社会の発展が阻害される。
プロ野球の例を考えればよく分かる。
勝つ為には、エースや四番バッターには高給を払う必要がある。
チームプレイなので理論的には全員同じ給料との珍説もありうるが、現実は個人別に大差がある。
しかし全員、それを当たり前と受け止めている。
一時期、共産主義体制下では絶対平等社会がありうるとの幻想が広がったが、社会活動は停滞し、実際には資本主義以上の特権階級を生み出し、むしろ格差は広がった。
人類を解放するかもしれないと期待された共産主義は、虻蜂取らずの思想でしかなく、既に世界的に破綻し、格差是正もまた画餅でしかなかった事が分かっている。

今回の格差是正のデモは、そもそもアメリカで1%に過ぎない富裕層に全ての富が独占されている事への不満から始まったようだ。
金持ちの為に中産階級以下が犠牲になっていると訴えているが、ではどうすれば良いのか?
彼らが標的にしているメディア大手や金融大手の企業幹部に、年収放棄を要求するのだろうか?
自分の才覚で稼いだ連中からすれば、「そんな馬鹿な」と呆れ果てる要求だが、百歩譲って、万一金持ちがチャリティ精神を発揮したら、次に99%の人にどう配分するかが問題になる。
当然、体を張ってデモをした連中と、その間もセコセコと稼いだ連中では貢献度が違う。
早速配分を巡って「格差ハンタイ運動」が発生するに違いない。

それでも、資本主義の最先端、アメリカが格差矛盾に悩むのはまだ分かる。
何せ、利益を出したCEO連中の給料の額は半端ではない。
妬みや嫉みから、憤懣やるかたない思いが集積されている事は想像に難くない。
しかし便乗のように、日本でも格差ハンタイデモが、100人規模で発生したらしい。
こちらは、政府の原発事故への対応批判や、反原発、派遣労働の不安定さ等々、諸外国の格差是正運動よりも、日ごろの漠然とした生活不安や不満の捌け口に見える。
「従来のデモとは違った独特の運動」と評価する向きもあるが、「民主化要求」なる頓珍漢なプラカードもあったほどなので、一時的にも盛り上がらないだろうし、到底継続し定着するものとは思えない。

格差是正は、誰かに施してもらう事ではないはずだ。
いくらデモで日常の不満を訴えても、憂さ晴らしにはなっても、実は何一つ格差は是正されない。
また集団で格差是正を目指しても、成果が期待できるものでもない。
一部が暴徒化し、金持ちを襲撃し、物を壊し、一部の財産を掠め取れば、恐れ慄いた金持ち連中が、それまでの稼ぎを放棄するとでも思っているのだろうか?
いくらデモで格差是正を主張しても、一時的には物珍しさからマスコミが寄ってきて、一種の流行モノに仕立てられるが、結局は何も得るモノがなくて、いつの間にか下火になり、誰にも気付かれずに終わってしまうだろう。
こんな運動は、格差是正の本質的な解決には程遠い。

結論は、たとえ徒手空拳でも、自らの才覚と努力でのし上がっていくしかない。