昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

無気力試合は怪しからんと言うけれど

オリンピックのバドミントンで、日本女子が初めて銀メダルを獲得し、殊勲のフジカキコンビ、藤井瑞希垣岩令佳は日曜日の特番に出ずっぱりだった。
熊本出身の藤井選手は、馬刺しと自家栽培した野菜が好きだったとか、高校で相方の垣岩選手と運命の出会いをしたとか、大変な持ち上げ方で、改めてやはり勝負事は勝たないとダメだと痛感させられた。

二人の栄光にケチをつける気はないが、この銀メダルの陰には、有力なメダル候補だった選手八人の失格処分が密接に関わっている。
決勝リーグで弱い相手と対戦できるようわざと負けた、例の四組八人、中国や韓国、インドネシアの連中だ。
わざわざ試合を捨ててまで彼らが「弱い相手」と見做して対戦を希望したのが、我が日本チームだったらしいと言うのも何とも皮肉だ。
戦前の予想では、フジカキコンビの評価が決して高かったわけではないので、失格選手達が妙な小細工を弄しなかったら、今回日本中から祝福された日本人コンビの銀メダルは無かった!………
とまでは言わないが、同じ結果を達成するには、かなりの苦労が必須だったはずだ。
その意味では、バドミントン界で日本人初の快挙を祝うと同時に、やはり無気力試合について考えてみる事も必要だろう。

僕は、結論から言って、金メダルを取ると言う究極の目的の為に、目前の一試合を捨て試合にする事は許されてしかるべきと考えている。
無論、高い入場料を払っている観客には申し訳ないが、オリンピックに参加している選手達は観客を喜ばす事が目的ではなく、「お国の為に一旗揚げる」事こそ究極の目的だからだ。
また、どこの国家も、どこの国民も、自国の選手がオリンピックでメダルを獲得する事こそが望みであり、選手達は自分の名誉と国家の威信の為だけに長く辛い練習に耐えてきているからだ。
世間様から浅知恵と非難されても、勝ちさえすれば官軍で、国に帰れば英雄になれる。
「参加する事に意味がある、オリンピック精神を忘れてしまった」とか、「どの試合にも勝つために全力を尽くさなければならない」とか、歯の浮くような、背筋がむず痒くなるような台詞が語られるが、そんな綺麗事で負けてしまっては元も子もない。
なでしこジャパンの佐々木監督は、「引分けを指示した」と明言したが、こちらは不問。
ミエミエだったものの、自分達自身が認めた訳ではないのに失格処分を受けたバドミントン選手と、手抜きを指示したと自ら認めているのに不問のなでしこサッカー監督。
どう考えてもこれは、片手落ち処分だ。

それ以外にも、予選リーグを突破したチームが主力選手を休ませるなんて、極々当たり前に実行されてきた。
陸上競技でも水泳でも、有力選手は、明らかに予選では手を抜いている。
彼らが全力を尽くすのは、メダルがかかっている決勝戦だけ。
今回バドミントンの無気力試合を非難した主張を厳密に展開すれば、これだって充分にオリンピック精神に悖っている。
しかし選手達にとって、オリンピックで「勝つために全力を尽くす」とは、あくまで金メダル、最悪でも銀か銅メダルを取る為の努力でしかない。

とは言うものの、バドミントン失格選手達のパフォーマンスは下手過ぎた。
あそこまで露骨にやってしまうと、観客や世間が反発するに決まっている。
またなでしこの佐々木監督も、わざわざ「手抜きを指示した」等を発表する必要はなかった。
同じ事でも、「残念ながら引分けにはなったが、移動の時間も不要になったと前向きにとらえたい」とでも言っておけば、誰も違和感など持たないし、物議を醸す事もなかった。
「責任は俺が取る」とか「選手には悪い事をした」とか、殊勝なコメントもしているが、どうも自分には大胆な深慮遠望があったと、名監督を気取っただけの目立ちたがり屋のように思える。

しかし全くの結果論だが、バドミントン八選手が失格になり、日本人のフジカキコンビは銀メダルを取った。
首尾よく二位通過で、移動時間が不要だったなでしこジャパンは、難敵ブラジルを破りベスト4に勝ち進んだ。
日本人が、今回の無気力試合を非難すると、罰が当たる。