昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

小さな親切の世界的意味

今回、静岡まで新幹線ひかりを使用した。
隣には、体重が優に150kg超のダンナ、ニョーボーも絶対に100kgオーバーのトド夫婦と、三歳くらいの娘が、二人分の椅子に三人で座った。
子供は母親が抱きかかえるが、これまた将来は母親の体重を追い抜くこと間違いないような骨太ヤンキー娘なので、見るからに重そう。
そんなの、見た途端に暑苦しくて仕方がなくなる。
こんな連中にはシカトを決め込んで、有川浩の読みかけの文庫本を取り出し熟読体制に入る。
朝日が差し込むとまぶしいので、ブラインドを中間まで下げて読書に耽っていると、隣の母娘がわずかに開いた隙間から外の景色を見て、「Mum, Sea.」とか、「Building」とか、「Beautiful」とか、感想を述べ合っている。

ここで得意の流暢な英語で、「アンタラ、ナンピト(何人)かい? Where are you from?」と聞くと、この外国人はたぶん田舎者に違いないようで,当方の鍛え抜かれたキングズイングリッシュが通じない。
「オ~サカ」と目的地を返事するので、ちょいとショック。
三人なのに二人分の料金、普通は東京-大阪間ならのぞみ号を利用するだろうに、こんなところをケチるのは如何にも円高に悩む外国人だ。
「旅の目的は観光なの?」には「Yes, yes」。
これは通じた。
尤も日本語にすると長いが、聞いた内容は「Sightseeing?」だけなのだから、間違えようもないか?

そこで俄国際人の当方、「OK. Let’s change our seats. You can see outside.」と、日本武士道精神を発揮し、物珍しげな母娘のために、窓際の席を譲ってやった。
ちょっとした親切だが、150kgの小錦に似たダンナからも笑顔のお礼が返ってきて気持ちがいい。
ついでに車掌を呼び止め、「当方は静岡で降りるが、その後も窓側の席は空いておるか?」と聞くと、「名古屋からは予約済みです」らしい。
「このガイコツ人親子は、アメリカからの観光客だが、(骨太ではあるが)あのいたいけな少女がイタク窓側の席を気に入っておる。拙者に成り代わってオヌシ、次の客に席の交換を交渉してはくれまいか」と頼むが、未だ親方日の丸意識が抜けない風情の車掌は「それはできません」と実に素っ気ない。
やむを得ず、下車する時に三人衆には「Why don't you ask someone to change your seat?」とアドバイスしておいたが、果てどうなったものやら。

韓国、中国と領土問題で仲違いの真っ最中の日本では、アメリカを始めその他の諸国からの支援を仰がないと、国際的に非常に不利な立場に陥る。
只でさえ頼りにならない民主党政権では、外交上手の中国に押されっ放しの状況が続く。
今回の出来事で、あのトド夫婦が帰国した暁には、新幹線で親切な日本人に出会って嬉しかったと、アメリカ中に触れ回るに違いない。
不肖私メの小さな親切がアメリカ人全体の琴線に触れ、オバマでもロムニーでもどっちが大統領になっても、日本の国家危機を救わんと対中国、韓国の助っ人になってくれるかもしれない。
情けは人の為ならず。
たかが一時間の親切だが、小市民の妄想は果てしなく広がる