昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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パスワード悲話

パソコン時代、インターネット時代なので、情報収集なんか何でも机の前で片付いてしまう。
仕事も、パソコンがないと始まらない。
昔の仕事は、同僚との語らいから始まっていたが、今はパソコン立上げが仕事開始の合図だ。
偶にシステムの調子が悪いと、何もすることが出来ず、ひたすらシステム回復を待つ。

また入力を間違えると、とんでもない収益予想になってしまう。
大幅収益改善の見込みになり大喜びしていたら、女性担当者が入力単価を三桁間違えていただけの糠喜びだったこともある。
昔の手作業なら、こんな間違いは途中で気が付くものだが、入力されたものはすべて正しいと思い込んでいるコンピューターは、一見頭が良いように見えるが、実は機転が利かない要領の悪い代物だ。

インターネット時代には、もう一つ困ったことがある。
昔はあり得なかった犯罪が増えていることだ。
他人のIDやパスワードを盗み、他人に成りすまして様々な犯罪を仕出かす。
企業情報の盗み出しなんて、昔の梶山季之作「黒の試走車」では、窓越しに会話の口の動きを読み取るという、誠に牧歌的なものだったが、今やパソコンに侵入して盗んでしまう。
こんな行為をハッカーなんて横文字で呼ぶので、趣味だか仕事だかわからず犯罪の臭いがない。
僕のようなレトロな人間には、なぜそんなことが可能なのかもわからないが、世間では悪い奴がウヨウヨいて、善良な民を騙してしまうケースが後を絶たない。

その防衛策として、パスワードが設定される。
そして、これが実に悩ましい。
覚えやすい番号でないといけないので、当初は誕生日を設定していたが、これではすぐに見破られるので、最近は誕生日や単純な番号は受け付けてくれない。
パソコン時代では、銀行のカードだけでなく、あらゆる場面でIDとパスワードを設定しなければならない。
仕方なく知恵を絞って、何とか個人的に印象的なパスワードを設定する。
これなら忘れる心配はないと高をくくっていたが……….

最近は更にパスワードのガードが厳しくなってきた。
わが社の場合は、問答無用で三か月ごとにパスワード変更が義務付けられてしまった。
こうなると全く大変だ。
最初はIDもパスワードも全く同じものを愛用していたが、あるIDだけ違ったパスワードにすると、そのうちに何が何だか分からなくなってくる。
記憶力が減退の一途をたどる年寄にとっては、一々変更パスワードを覚えておけないからだ。

会社の場合、仕方なくパソコンの横に新パスワードをメモしている。
よくよく考えれば、これの方がもっと危うい。
大体僕のような人間の内部機密を盗みだす物好きなどいるはずもないし、万が一盗まれても全く大勢に影響がない。
パスワードなんか不要だ。
と毒づきながら、目の前のアンチョコも見ながらパソコンにアクセスする日が続いている。
やはりコンピューター時代、パソコン時代は、便利だけど厄介な部分が多い。