昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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「アルプスの少女」から何を連想しますか?

今では「アルプスの少女」と言えば、誰でもハイジの顔が思い浮かぶ。
主題歌と言えば、「口笛は何故遠くまで聞こえるの あの雲は何故 私を待ってるの」に決まっている。
......らしい。
しかしオジサン、オジイサン族は、もう40年も昔に人気絶頂だったアイドル、麻丘めぐみが歌った「アルプスの少女」の歌の方が馴染み深く、口ずさみ易い。
♪朝もやの牧場を、吹く風にスカートの裾が翻る
♪駄目よ あの人に見られたら恥ずかしいわ
♪恋してる アルプスの少女
懐かしいナァ。

この歌、社会性も問題意識もない真にくだらないものだが、こんな歌を思い出したのには訳がある。
時と場所は、「朝もやの牧場」ならぬ、未だ夜明け前の午前5時の我が家。
そこから、麻丘めぐみの「アルプスの少女」を鼻歌交じりにハミングしながら、我が家から遥か彼方、100km先のゴルフ場を目指して、愛車を駆ることになった。
目的は、総勢22組の大コンペ参加。
集合時間は午前7時15分。
さすがにこんな時間だと、車の往来は少ない。
しかも今回、我が愛車に「新兵器」を装着。
最近では、長距離運転は疲れるので嫌い、遠いところは公共交通機関を使うことにしてきたので、ほとんど高速道路を利用することはなかった。
しかしゴルフとなると話は別で、一切の労を惜しまないのが当方の信条。
遠い異国のような場所まで一都一県と横切って赴かねばならない。
一般道路だとどれだけ時間が掛かるのか不明なので、当然ながら高速道路を利用することになる。
であれば、こんな早朝に料金所で一々現金精算では、面倒くさくて仕方がない。
その為、世間では当たり前に使われていても、我が家では宝の持ち腐れ状態だったETCカードを、不肖私、思い切って利用したのだ。

快調にドライブし、予定よりもかなり早くゴルフ場に到着。
啓蟄のこの日、急に春の季節になり、参加者全員大喜びでプレイを楽しみ、滞りなくコンペも終了。
表彰式終了後、今度は一躍我が家を目指して、帰宅したのが午後5時。
あんな遠方での大コンペにしては、わずか半日仕事で終了した。
後は、翌日の社内での旅費精算が待っている。
総務に掛け合うと、ETC利用の場合は、インターネット経由で利用明細がアウトプットできるので、それを添付するように指導された。
やってみると、実に簡単に作業だ。
自分の車のナンバーと、ETCカードナンバーを打ち込み、利用日をクリックすると、一目瞭然に使用実績が分かる。

後は印刷するだけなのだが、内容を見て心配になって来た。
そこには、全ての利用明細書に、ゲート通過時間が分刻みで表示されている。
これだと、ゲート間の距離さえわかれば、車のスピードが逆算できる。
そしてそれは、絶対に制限速度をオーバーしているはずだ。
何故なら、通行車両が少ないことを勿怪の幸いに、ビュンビュンすっ飛ばした覚えがあるからだ。
警察や当局が調べれば、これは、実に正確な証拠物件になる。
ある朝突然、警察が我が家に踏み込み、「スピード違反で逮捕する」なんてことが発生するかも知れない。
背筋が薄ら寒くなった。
防犯カメラだって、犯人検挙には役立っているが、個人のプライバシーなんてあってないようなものだ。
ETCの場合、高速道路を利用している限り、当局に行動の大半を把握されている、

やはり近代兵器は便利だが、一方では市民生活の足元を脅かす存在であることを実感する。
「恋してる アルプスの少女」なんて、何の悩みもなく歌っていた時代には、携帯電話もETCカードも、インターネットもなかった。
そして社会を震撼させる凶悪事件も、あるにはあったが、今ほどは頻発していなかった。
オジサン、オジイサン族の当方、「口笛は何故遠くまで聞こえるの」と鋭く問題提起をする現代のハイジよりも、まるで馬鹿っぽく能天気に麻丘めぐみが歌った「アルプスの少女」が懐かしい。