昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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I am 神道イスト

海外では、フレンドリーな雰囲気を醸し出すよう、スモールトークから会話が始まる。
その時には、政治や宗教は避けるべき話題と教えられる。
特にキリスト教徒やイスラム教徒に対して、世の中には彼らが信じている神様以外にもたくさんの神様がいるなどと言おうものなら、その瞬間から大激論になり、最後は喧嘩になる。
だから、海外では宗教の話はやめておいた方が無難だ。

しかし偶に彼らから、「貴方が信じている神様は?」と質問される事がある。
この時に「そんなのいない!」と正直に答えると、その瞬間に「信じられない????」と目を剥かれる。
敬虔に神様を信じている大多数の外国人は、「神様を信じないのは野蛮人」と決め付け、その後は人間性も含めて一切信用しなくなる。
だからそんな質問を受けたら、「Buddhist」とか「Shintoist」とか、何でもいいから彼らが知らない神様を挙げた方が良い。

Buddhistはともかく、Shintoistなんて、海外では誰も知らない。
「それは何だ?」と聞かれるので「It’s the Japanese traditional custom. All Japanese believe it.」とか適当に返事すると、「フ~ン」で終わる。
難関な話題は、煙にまくに限る。
しかし真面目な話、日本人は神道に影響されていると思う。
2006年ブログを始めた頃に「日本人の大半は、実は神道の影響を受けている」と書いた事がある。
http://blogs.yahoo.co.jp/saraam_s/26231288.html

顧客にこの話をすると、全員が「そうだ、そうだ」と賛同してくれる。
彼らも、思い当たる節が多いからだ。
初めて会った人に、日本人はお辞儀で敬意を表す。
セリエAで活躍している長友は、お辞儀パフォーマンスが珍しがられ人気を博しているが、接触する事で親近感が増す外国人には、お辞儀は全く奇妙な行動に見える。
しかし日本では、握手したり、ハグしたり、キスをして親愛の情を表す方が圧倒的少数派だ。
これは接触すれば、その部分が穢れると発想する神道の影響に他ならない。

Made in Japan製品は、高品質で世界を席巻した。
世界中の誰もが、「日本製は高価格だが高品質」と評価している。
そしてそんな高品質製品は、日本型品質管理から生み出された。
この日本型品質管理って、日本人は当たり前に受け止め実践するが、海外では先ず理解されない。
製品に異物が混入すると、日本では大騒ぎになり、そのロット全部を出荷禁止にする。
海外では、「異物を取り除けば問題ないだろう」になる。
日本人はDNAの段階で神道に影響されているから、異分子、特に穢れに繋がるものにはアレルギーを起こして排除しようとするが、海外ではその部分さえ取り除けば、後は問題ないと考える。
日本の場合は、品質管理が徹底され、やり過ぎになるのでコストが高くなる。
そんな事は無駄と考える外国人に、日本型品質管理をいくら教え込んでも定着しない。
そもそも、「身の回りをきれいにすれば、作る製品の品質が上がる」なんて、日本人にしか理解されない。

僕は、幸か不幸か信仰心が薄く、友人もそんな連中ばっかりなので、神様を信じている人の心中が分からない。
だから推測に過ぎないが、日本人にもキリスト教徒や仏教徒は多いが、そんな敬虔に宗教を信じている人も、日本人であるからには、その根底に神道が影響しているのではと思っている。
もしもキリスト教徒が買い物をする時、棚の奥にある製品を選んで買い物籠に入れるのなら、その人は神道キリスト教徒に違いない。

実は日本人で、自分を神道イストと自称する人はほとんどいない。
それは逆に、長い年月の間に神道の教えが、誰もが意識しないレベルにまで、日本人に完全に刷り込まれている結果だろう。
日本製品が高品質になったのに、日本神道が強く影響している。
やはり宗教は、単に精神に安らぎを与えるだけでなく、生きとし生けるモノのあらゆる活動を規定する根本的な哲学なのだ。