昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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会員名簿が発行された

かっては、ゴルフ場の信用度を図るメジャーの一つに、会員名簿発行の有無があった。
公称よりも会員数が多いゴルフ場は、絶対に会員名簿を発行できないからだ。
ゴルフ業界に巣食う輩には、預託金制度を悪用するような胡散臭い連中がたくさんいた。
彼らは高額の会員権を売り出し、大量に売りさばき、大金を稼いだが、これは偽札印刷と一緒。
犯罪と紙一重、いや犯罪そのものと言ってもいいくらいだ。

結果として、大量メンバーのゴルフ場がたくさん誕生した。
それでもゴルフ場が出来たのはまだいい方で、茨城カントリーなんかは最初から詐欺目的で、サラリーマンがゴルフ場のメンバーになるのにいくらまでなら出資するかから逆算、200万円で5万人もメンバーを集めた経営者は、その1000億円を持ち逃げしてしまった。
このような大量に会員がいるゴルフ場が、会員名簿など発行するはずがない。
だから、「名簿もないようなコースは信用できない」とされて、会員権相場も低かった。
ところが2005年に、個人情報保護法が成立、様相が一変した。
ほとんど全部のゴルフ場が、この法律を理由に会員名簿を発行しなくなったからだ。
時を同じくして、バブル期に新設された多くのゴルフ場が預託金返済の時期となった。
元より、預託金返済など考えてもいず、他の事業に使い込んでいたゴルフ場経営者にとっては、この法律はまさに渡りに船。(某氏の場合は「渡りに橋」)

政府のお墨付きを得たようなもので、「個人情報保護の立場から、会員名簿発行が出来なくなりました」との言い訳で、会員の実態を明らかにする必要がなくなった。
預託金返済の代わりに、会員権を二分割したり、四分割しても会員数を増やしても、名簿を発行しないからばれることはない。
そんな悪知恵を働かした悪徳業者どもは、結構多いはずだ。
僕が以前所属していたコースも、「金がないから返済できないが、その分ご家族を会員にします」と、破廉恥なことをやっていた。

そんな中で、我がホームコースが、七年ぶりに会員名簿を発行した。
「会員からの要望が多かったので」と説明があったが、我がコースながら天晴れだ。
実は僕も、ホームコースのアンケートに、「個人情報保護法案の問題は、個人別に開示範囲を限定すれば解決できるはずなので、是非とも会員名簿を発行してほしい」と希望したことがある。
他の会員からも同じ要望があったらしいが、今回はこんな要請を全面的に受け入れてくれたことになり、殊の外うれしい。
事前に会員データの確認手紙が来たので、勤務先とその住所、電話番号、自宅の電話番号は非公開、我が家の住所だけを公開することにした。
出来上がった名簿を見ると、名前だけの人もいるが、僕と同じで自宅住所だけの人が最も多い。
やはり個人情報が漏洩すると、様々の業者から勧誘の電話がかかってくるのが心配だからだろう。
中身はスカスカだが、ホームコースの心意気を感じる。

会員名簿があると、帰宅後に一緒にプレイしたメンバーの人となりを確認出来るので、次に会った時に親近感が増す。
結果として、会員同士の親睦が進む。
これこそ本来の、メンバーシップ運営のはず。
会員数でインチキをやっていないことの証明にもなり、ゴルフを場も信用度も上がる。
双方にとってウィン・ウィン関係のはずだが、それでも最近は会員名簿を発行するゴルフ場の存在を聞いたことがなかった。

そんな現状打破に、我がホームコースが口火を切ったのなら、是非とも他のコースも続いて、一昔前のように会員名簿の有無でゴルフ場の信用が測れるようになって欲しいものだ。
僕は七年ぶりの名簿を見ながら、今までプレイしたことのあるメンバーを思い出している。