昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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今は昔の女性登用運動

もうすっかり落ち目になったが、一時期、「女性社員の登用」が騒がれた時期があった。
僕自身は封建的に、女性は家庭を守るのが一番と考えているが、社長が音頭を取り、僕のグループの女性が担当者の一人だったので、余計なお世話とは思いながら、彼女をメールで応援していた。
今は昔、2008年の出来事だが、その女性登用委員会が、「残業を減らそう、20時退社の遂行」運動を具体的に提案してきた。
それに対して、「そんな中途半端な方針はおかしい。やるなら残業ゼロ運動を」と指摘したところ、彼女の答えは、「今の会社の雰囲気では、残業ゼロは絶対不可能、20時退社だって反対が多かった」だった。

○○さん
実は、何かを変えようと運動を起こすと必ず二つのやり方が発生し、各々が「自分こそ正しい」と主張するものです。
一つは、「どんなに実現が困難でも、原理原則が大事で目標を高く掲げるべき」
もう一つは、「そうは言っても、現実を直視し、出来る所から進めるべき」
です。

どちらも正しいので、どちらで進むかは組織判断、あるいはリーダーの考え方で決まります。
その結果、反対側の人間には不満が発生し、通常、改革運動は必ず分裂していきます。
これは、歴史的に見ても、全ての運動に共通です。
理想が高ければ高いほど、必ず組織は分裂を繰り返しています。
イスラム原理主義も、○○さんがやっている運動も同じです。

○○さんから聞く限り、××社の女性登用運動は後者の方針のようです。
これはこれで正しい方針なのですが、場合によっては、期待した成果が上がらないとの不満が出てくる事も想定しておくべきです。
たかが残業ゼロ運動にしても、考え方が二つ存在します。
××(株)のような「常識的な人達」が集まっている会社で、定時退社論が受け入れられないのも良く分かります。
現実的に20時退社励行運動もあり得るでしょう。

但し、自分たちの現実論だけが正しいと思い込むのではなく、必ず、「かくあるべき」のような意見がある事を理解していた方が、運動が長続きすると思います。

ただ、いつまでも運動ばかりでは、参加者がだんだん減ってしまいます。
具体的な成果をどれほど積み増しできるかがポイントです。
次の一手は何か?
・それはどれだけの人達の関心を呼べるか?
女性登用運動が定着するまでは、いつも○○さん達が考えておかないと、普通の社員は飽きっぽいものです。

今のところ、保育所、残業問題等が期待される成果でしょうが、やはり、「複数女性幹部の実現」が、一番インパクトがあると思います。
○○さんを始め、「我こそ!」と名乗り出る事が必要です。
風当たりは強いでしょうが、委員長の「△△ハン」やメンバーの皆さんの出番です。
女性の能力不足を懸念されていましたが、男性だって全員が充分な能力を有しているわけはありません。
「しばらくは大目に見ろ」との開き直りも大事ですよ。


この会社の女性登用運動は、部長職に女性が一人抜擢され、工場に保育所が出来たところまでの成果で、いつの間にか尻すぼみになっている。
このような運動は、会社のトップによほどの強い信念や支援を惜しまない気持ちがないと、長続きしないものだ。