今までは、会社支給のスマホだった。
機種は情報機密保持最優先で選ばれたので、昔懐かしいブラックベリー。
しかし大々的に会社に導入した直後に、「シェアが小さく、将来性がない」との理由で廃番になってしまった代物だ。
キーボードが小さく扱いにくかったので、同僚の多くはすぐにガラバゴス携帯に戻ってしまった。
僕は出先でメールを読めるのが便利なので、意地になって使い続けた。
今般退社するにあたって、当然ながら会社から返却を要求されたので、個人のスマホを持つことにした。
しかし電話番号は、元々は会社が契約したモノだが、１０年以上使い続けてきたのですっかり愛着がある。
海外で留守電を聞くためには、自分の携帯番号を打ち込む必要があったが、自分で自分に電話をする事はないので、番号が分からず困ってしまった。
どこかのボタンを押せば、自分の番号が表示されるらしいが、あれこれいじっているうちに場面が消えたりすると、一気に不安な気持ちになり、パニック状態になった事もある。
そんなこんなの苦労の結果.やっとこさ電話番号を暗記したところなので、今更変わるとまた覚えるのが大変だ。
色々と調べたら、会社のスマホを名義変更し個人のモノにすれば、番号は継続使用が出来る事が分かった。
会社に依頼して、様々な必要書類を用意してドコモショップに出かけたが、応対したおネエチャン担当者の要領が悪く、説明がまるで分かり難い。
それでも辛抱強く聞いていたが、余りにも説明が下手で時間ばかりかかる。
こちらの質問に対して「調べてきますので、しばらく席を外します」と丁寧に了解を得るのは良いが、何時まで経っても帰ってこない。
とうとう頭にきて、男性担当者に代わってもらった途端、すぐに問題解決。
晴れて、個人のスマホを入手できた。
しかしこれにて一件落着とはいかない。
我が家はソフトバンク派で、家族なら通信がタダになるので、そちらに機種変更しなければならない。
このソフトバンクショップでもまた、「ああでもない、こうでもない」と延々と説明があり、全部終わったのはドコモショップを訪問した四時間後の午後二時。
その間、昼飯も食えなかった。
これで名実ともに、スマホデビューになったのだが、機能が多すぎて扱いが難しい。
何よりも、電話がかかってきた時に、どうとれば繋がるのかが分からない。
結果として、画面をじっと見つめているうちに、相手が諦めて通話を切ってしまう。
そんな事を繰り返しながら、半日が過ぎてしまった。
その他、テレビが見れる機能とか、イヤホンが付いているが、これらを全部使いこなすにはかなりの時間がかかりそうだ。
それでも、スマホを持っているだけで、時代の先端を走っているような気分は味わえる。
退職後の今からは、暇だけはたっぷりとある。
英会話も上達したいし、ゴルフにもいきたい。
趣味の読書も盆栽もやりたいが、先ずはスマホ達人の道を究めたいものだ。
