昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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小保方晴子さんを見ていると.........

つい一か月半前は世紀の大発見だったSTAP細胞の研究者、小保方晴子さんがピンチに陥っている。
笑顔が可愛いし、割烹着の研究スタイルも初々しかった。
絶世の美女ではないが、理知的な雰囲気を醸し出し、才色兼備とは彼女の為にある言葉とすら思えた。
僕は、あの手の女性が好みだし、あの手の女性に甘い。
しかし肝心のSTAP細胞の再現性だけでなく、論文そのものにまで疑念が生じている。
今や研究者生命すら懸念され、ノイローゼ気味とも聞こえてくる。
もう二度と、あの溌剌とした研究振りや発表態度を見ることが出来ないのではと心配している。

有名にさえならなければ、博士論文のパクリだってばれなかっただろう。
あれは、誰がどう見てもコピー&ペーストに違いない。
しかしインターネット社会では、この機能は便利だ。
便利なものは使わない手はないので、彼女だけでなく、結構多くの人がやっているのではないだろうか。
幸か不幸か、博士論文なんか書くチャンスもなかったが、もしも僕が今の時代にそんな事態になったら、恐らくはどこからか元ネタをパクって貼り付けてしまうような気がする。

小保方晴子さんに関しては、「研究者として未熟」との評価が定着してしまったし、肝心のSTAP細胞論文も、取り下げざるを得ないようだ。
ノーベル賞候補とまで持ち上げられ、一挙手一投足が注目された栄光からの転落劇は、30歳の彼女には過酷過ぎる。
しかし、巷間伝わるように彼女の実験が不適切であったとしても、僕は余り責める気にならない。
それはきっと、彼女の愛らしさの所為だろう。
もしも鳩山由紀夫菅直人ホリエモンが同じことをしたら、「死刑に処すべし」と力説するだろうから、男も女も、グッドルッキングは得をする。

しかしコピー&ペーストの機能が、我々の自助努力の精神を損なっているのは間違いない。
このままでは、あらゆるレポートが、ネット社会情報のコピーになってしまう。
ネット社会で情報を入手する能力が一番大事になると、自分の頭でモノを考える事が不必要になる。
研究の最前線にユニットリーダーとして辣腕を振るっていたはずの小保方晴子さんでさえも、簡単な方法に頼っていたとなると、問題の根は深い。

もう一つ、携帯やスマホのアドレスブックも問題だ。
あの機能の為に、電話番号を覚える事がなくなってしまった。
また自分で電話帳を作る手間暇も不要だ。
昔は何度も電話をしているうちに、頭ではなく指が番号を覚えてしまい、まるで無意識のうちに電話をすることが出来た。
川端康成の名作『雪国』で、芸者駒子が、主人公の作家、島村に対して、「この指が覚えていたのね」と言うシーンは色っぽい。
そんな色気はどこにもないが、我々の指も電話番号を覚える能力があった。

しかし今は、携帯やスマホを忘れた途端、どこにも電話が出来ない。
便利さを求めるあまり、我々は失ったものも多い。
機械に頼り切ると、それが機能しなくなった途端に途方に暮れる。
オセロゲームのように、小保方晴子さんへの賞賛が非難へと変わったのを見れば、そんな時代を生き延びるのは、便利な機械を使いこなすことが出来ないから、愚直に自分自身で苦労する事を厭わない、ガラバゴスなアナクロ人間だろう。