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世界のオペラハウス、ミラノスカラ座

午前中はアンブロジアーナ絵画館。
ほとんど無名な美術館だが、レオナルド・ダ・ヴィンチの研究テーマの下書きが原画で展示されている。
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入り口にいる係員も、愛想なしで、写真撮影は全面禁止。
しかしその分、重々しく感じる。
超有名作家の絵画はないようだが、それでも全部見終わるには、2時間近くはかかる。
出口の直前が、膨大な書籍に囲まれた図書館風情の部屋で、そこにダ・ヴィンチの研究ノートがずらりと展示されていた。
出口を出ると、入れ違いに、開いたドアの隙間から外国人夫婦が入っていく。
人品骨柄卑しからざる二人だが、勿論ここは入り口ではないので、うまい具合に只見する魂胆なのだろう。
呆れていると、しばらくしたら、文字通り摘み出されるかのように、係員から追い出されてきた。
セコイことを考えても、成功確率は低い。
悪事がバレてしまい、しょぼくれて出口付近の椅子に座った姿が面白い。
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続いて、ポリディ・ペッツォーレ美術館を目指す。
ここは元貴族の館で、金にモノを言わせたコレクションが、地元では知る人ぞ知る、評判の美術館だ。
ところが、すぐ近くに来ているはずなのに、行けども行けども辿り着かない。
小雨も降っていたので、ついにこの日の訪問はギブアップ。
歩きつかれたので、有名な老舗カフェ「COVA」で昼食をとった。
この店は簡単なランチがメニューに載っていて、確かに旨いが、しかし高い。

一旦ホテルに戻り、英気を養う。
この後は、いよいよ今回のミラノ訪問、第二のハイライト、スカラ座のオペラ鑑賞だ。
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オペラ鑑賞のメッカ、世界一とも言われるスカラ座なので、チケット手配が大変。
今回はボックス席だが、最前列はとっくに売り切れ。
妻の必死の努力で、二列目、三列目がやっとこさ入手できた。
我々のボックス席最前列の客は、いかにも金持ちそうなフランス人夫婦。
夫婦揃って、後ろの我々が見えやすいように席をずらして気を使うなど、なかなかの好印象。

ところが彼らが、翻訳字幕を二つともフランス語にセットしたので、オペラそのものの内容がまるで分からない。
しかも本来なら十字軍を扱ったテーマのはずが、気鋭で評判の演出家の新たな解釈で、現代バージョンにアレンジされている。
衣装は全て今風に変わっているし、バスケットボールや、テレビまで登場し、時代考証が無茶苦茶になっている。
その為、幕間までの前半は、ただただ歌い手の声量と、表現力だけを感心するだけで、ちっとも面白くなかった。
後半は、中央の字幕を英語バージョンに変えたので、粗筋も良く分かり、オペラをすっかり堪能することができた。

20時開演の劇が終了したのは、23時過ぎ。
わざわざスカラ座の近くのホテルをとったいたので、徒歩5分強でホテルに帰還。
風呂に入って、すぐに就寝。
この日は、文化の香りが漂う一日だった。