昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ミラノからガルミッシュまでの列車旅

すっかり長逗留になった、ミラノのホテルをチェックアウト。
9時過ぎの列車で、ベロナ、インスブルク経由で、冬のオリンピック開催地ガルミッシュ・パルテンキルヘンを目指す。
列車だけの利用だが、乗り換えが二回もあり、到着までは9時間。

ミラノ駅には目つきの悪い胡散臭い連中がウヨウヨしていて、スリ被害が多発しているが、そのミラノを離れても、今度は客筋がどんどん悪くなる。
コンポーネントスタイルの指定席に座っていると、途中のベロナ駅から、アラブ人親子五人組が乗り込んできた。
ところが先客の、エリトリア黒人青年と揉めている。
どうやら指定席のダブルブッキング問題と思っていたが、アラブ人親父の方が諦めて、一人だけ隣のコンポーネントに移っていった。
残った母親と子供三人だが、母親はまだ若く、着ているものこそ高級ではないが、決して貧相な感じはしない、普通の若奥さんの印象。
長男が3歳ほどで、次男は2歳、一番下の長女は1歳と見た。
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しかし次男と長女は、何が気に入らないのか、一緒に、あるいは交互に、とにかく泣き喚き続ける。
うるさくて敵わないが、ガキのことなので我慢するしかない。

長男が利発そうな顔をしているので、妻が話しかけるが、この家族は全員、英語を全く理解しない。
スマホで写真を撮ったり、ポスターの写真で「パパ、ママ」と会話しているうちは良かったが、だんだん慣れるに従い、抑えが利かなくなってきた。
何かと妻に、ちょっかいをかけ始める。
さすがに妻もこの長男ガキを持て余し、寝たふりをするが、それでも起こして、悪戯をしかけてくる。
母親が小声で諭すと、この長男は、窓につばをかけた。
同じコンポーネントエリトリア青年も、このマナーの悪さに慌てて注意をしたほどだ。
母親に諭されて、ティッシュで窓を拭いていたが、こんな我儘なガキでは将来はロクな奴には育たないと、暗澹たる思いになった。
妻には、外国では、日本みたいに向こう三軒両隣みたいな積りで不用意に声をかけたり関わったりすると、とんでもない目にあうと注意した。

列車がロベルタ駅に到着すると、今度は止まったままで動かなくなった。
その内に、車両の出口を警官が囲み、車掌がアラブ人母親のところに来て、パスポート提示を要求した。
母親は「持っていない」と返答したようだったが、更にしばらくして、母親と子供三人は係員に下車するように求められた。
車両の外には、父親が座らされた状態で、警官に囲まれて事情聴取を受けていて、その周りに母親と子供が待機している。
列車はアラブ人をホームに残したまま、30分ほど遅れてやっと発車したので、車掌に「何があった?」と質問すると、「ノーコメントだが、彼らはパスポートを持っていない」と返答する。
どうも、訳ありの不法移民か、もしくはお尋ね者のようだ。
親は自己責任だろうが、あの子供たち三人は、今後どのように育っていくのだろう。
間断なく泣き続けるガキと、悪戯盛りのガキがいなくなったので、車内は一挙に静かになった。
それは良かったが、一期一会の出会いみたいなものなので、あのガキどもの将来が心配になる。

列車はオーストリア経由でドイツに入るが、乗客はますます怪しげな輩が増える。
トイレに入ったまま、他人が並んで待っていても、全く出てこなくなった黒人女性。
男二人でトイレに入ってしまう、怪しげな奴ら。
薬をやっているのではと疑いたくなるような連中が、集団で話しているような光景に出会うと、目が合うのも避けたくなる。
我々夫婦は、時間はかかるがインスブルクからDB(ドイッチェバーン)に乗り換えた。
とたんに客筋が、グッと明るくなる。
やはりドイツに比べ、イタリアは貧しい国だ。

予定よりかなり遅れて、ガルミッシュ駅に到着。
夜食は、駅前のアジア料理店に。
ここのベトナム出身のママさんは、やたらと愛想が良かったが、客は我々夫婦だけ。
流行っていない店は不味いのが定番なので、全く期待しないままトムヤムクンスープとカレーを注文したが、出ていた料理は抜群に美味い。
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尤もこんなスパイシーな料理を頼むのは珍しいようで、「Are you Thailand?」は失礼な。
こんな時には、妙に力を入れて「No, I'm Japanese.」と言い返すのは何故だろう。
量が多かったので、妻は半分くらいしか食べ切れなかったが、当方はほぼ完食。
こんな山奥の田舎町で、タイ料理を満喫できるとは感激だ。

ホテルは五つ星との触れ込みだったが、部屋までの廊下は曲がりくねっているし、途中で停電はするし、とても満足できるレベルではなかった。
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