昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

懐かしの低俗エロ小説

昔の低俗週刊誌と低俗夕刊紙には、必ず川上宗薫宇能鴻一郎のエロ小説が掲載されていた。
粗筋もへったくれもない。
ただただ、微に入り細に亘って、生々しくも荒唐無稽なシーンが書き連ねているだけ。
恐らくは小説としての評価は極めて低く、決して芥川賞直木賞の対象には絶対になりえないような代物だった。
こんな小説だったから、流石に単行本を買うことはなかった。
が、それでも一時期、低俗週刊誌と低俗夕刊紙の熱心な読者だった所為か、この両作家の作品を読む機会が多かった。

小説としての評価は低くても、さすがに宇能鴻一郎芥川賞受賞者だし、川上宗薫も何度か候補者に名を連ねた文学者なので、作家としての想像力は逞しい。
よくぞそんなバカげたことを思いつくモノと、思わず吹き出すような内容が臆面もなく書かれていた。
宇能鴻一郎夕刊フジだったか、あるいは日刊ゲンダイだったかに連載していたのは、タイトルも忘れたが、彼が得意とする女性が一人称で語る物語で、ゴルフのキャディを扱っていた。
余りにもくだらないので、逆にしっかりと覚えている。

キャディが仕事中に尿意を催し木の陰で用を足している時、ゴルファーのミスショットしたボールが飛んできて、局部に挟まってしまう。
駆けつけて来たゴルファーがそれを見て、「ゴルフはノータッチが原則なので、僕のクラブで打ち出そう」と、事に及んでしまう。
キャディも、いつの間にか………..
と、後はいつもの宇能鴻一郎節。

川上宗薫の方は、事に至り、感極まると、女性が失神する。
マァ、この辺の肩の凝らなさと、奇想天外な発想が、人気の秘訣だったのだろう。

と、色々と偉そうに御託を並べたが、当方はこの手の小説に登場する主人公とは違い、女性の扱いについては造詣が深いわけではない。
それでも、こんな三文小説を読んでいるうちに、いつの間にかその道を知ったような気分になる。
しかしそれは単なる耳学問からくる妄想で、特別な経験など何一つないまま、まさしく馬齢を重ね、そして今ではすっかり枯淡の境地に至っている。

同時に、そんなエロ小説への興味も無くなったが、最近経験的に、睡眠感帯がある事に気が付いた。
若かりし頃は、何がなくてもすぐに眠りに落ちた。
ところが体力がなくなるにつれ、眠りも思い通りにはならない。
寝つきは悪いし、眠りは浅い。
睡眠も体力勝負だとわかってきたが、ここが刺激されるとすぐに眠ってしまうポイントがあるのだ。

それは肩が温まる事だ。
僕の場合、布団に入って肩が温まり始めると同時に、急激に睡魔に襲われる。
これはエロ小説家たちが、妄想の挙句に作り上げた性感帯にも似た、睡眠感帯に違いない。
これを発見したおかげで、「眠れない夜」はない。
寝つき抜群の老人だが、その分朝は早い。
今や午前5時まで寝ている事が珍しいほどで、その後にやる事がないので、蠢き出すのも早い。
「食う」、「ヤル」の妄執が消え去り、「寝る」事だけが得意な抜け殻になったようだ。