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相変らず麻生太郎の軽率発言だが……

安倍晋三政権の重鎮、麻生太郎財務相は、相変わらずサービス精神旺盛で軽薄だ。
わざとのように、批判を招き、誤解を生じる発言を繰り返す。
今回は、「子供を産まないのが悪い」とやらかして、案の定、集中砲火を浴びている。
特に選挙で苦戦中の野党にとっては渡りに船の攻撃材料で、民主党海江田万里代表を始めとして、「麻生太郎は実にケシカラン」の大合唱が発生している。
またマスコミも悪乗り気味で、各局のモーニングショーでも、「こんな発言は許されない」と息巻いている。
与党連中ですら、「またしても余計な事を」と白眼視する始末で、麻生太郎にとっては四面楚歌。

しかし僕は、性根が捻くれているのか、こんな連中と一緒の気持ちにはなれない。
麻生太郎社会保障費の増大に絡み、「高齢者が悪いようなイメージを作っている人が一杯いるが、子供を産まない方が問題だ」と発言した。
また「子供が生まれないから、子供三人で一人、もう少しすると、二人で一人を支える事態になる」と指摘し、増大する社会保障費を賄うため「みんなで少しずつ負担する以外に方法がない」と消費税率アップに言及した。
中身をよく聞くと、高齢者問題は高齢者側に問題があるのではなく、それを支える若者の絶対数が減っている事に原因があり、当然ながらその解決には、少子化対策を急がないといけないと力説しているのだ。
この発言のどこが問題なのだろう。

中でも海江田万里民主党党首の、「子供を産めなくさせているのは政治の問題なのに、子供を産まない事に責任転嫁している」発言は、天に唾するような代物でしかない。
政治が悪いと言うのなら、「オマエも政治家の端くれだろう」と返したい。
そもそも政治が、安心して子供を産み、子供を育てる環境を整えるとしたら、その為の裏付け資金が必要となる。
福祉先進国スウェーデンの消費税率は25%であり、それを国民全体が受け入れている。
しかしそこまでしても、スウェーデンでは出生率が2.0程度であり、少子化問題が全面的に解決されている訳ではない。

もう一つ、麻生太郎発言批判の共通項は、「産みたくても産めない人への冒涜」と言うものだ。
しかし麻生太郎と発言のどこをとっても、子供を産まない事への批判はあっても、子供が産めない人への非難はない。
不妊治療に苦しむ人が可哀そう」などの感傷的攻撃は、揚げ足取りでしかない。

人間、豊かになると、子供以外に関心が移り行くモノだ。
その証拠に、発展途上国は悉くピラミッド型の人口構成で、若者の雇用こそが大問題で、少子化問題など存在しない。
逆に中国では、「一人っ子政策」で、政府が子供を産んではいけないと命令している。
ところが先進国になると、各国各様に少子化問題が深刻化している。
麻生太郎のように、「子供を産まないのが問題だ」と単に問題提起しても、「では産みましょう」と二つ返事で引き受ける人は少ないのだ。
しかし麻生太郎の発言を「女性蔑視だ」と問題視する人達も、少子化問題への具体的対策を持っている訳ではない。
麻生太郎の発言の字面だけを捉えて難癖をつけて、自己満足しているに過ぎず、これは何も考えていないのと一緒だ。
麻生太郎に関して言えば、オオモノ政治家として影響力の大きな存在なので、もう少し慎重に、言葉を選んで喋ればと思うが、オッチョコチョイ性格は死ぬまで治らないようだ。

少なくとも出生率を上げる為には、子ども手当子育て支援の充実とか、とにかく全国民からの納税額を増やして、子供を産みやすい環境を整えるしか方法はない。
そこまでしても、どれほどの効果があるのかは疑問だが、やらないよりも子供の数は増えるだろう。
その方法として、消費税なのか、所得税なのか、あるいは他の税金を増やすのかが、政治の問題として問われている。
いずれにしても、遍く国民全体で負担する覚悟が必要なのであり、麻生太郎発言に過剰反応して怒りまくっていると、却って問題の本質を取り違えてしまう。