昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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オトコ達の不幸自慢

オトコとオンナはまるで違う生物だ。
等と、大した経験もないくせに分かったようなことを言うと顰蹙を買う。
しかし僕は、オトコとオンナは、「間違いなく違っている!」と断言する。
それは、多くのオンナが幸福自慢をするのに比べて、オトコは不幸自慢をしたがるからだ。

「私はこんなに恵まれている」と、傍迷惑なくらいに自慢するのはオンナ。
自分の容姿、経済的裏付け、学力だけでなく、連れ合い、子供、果ては孫まで、自分と自分の関連を自慢する。

一方のオトコはまるで正反対。
そこまで遜らなくてもと思うくらいに、不幸自慢に終始する。
オンナと違い、容姿をひけらかすオトコは少ない。
また不健康こそオトコの勲章とばかりに、如何に自分の体調が悪いかを力説する。

健康診断なんて、格好の舞台になる。
   A;「再検査項目が三つもある。」
   B:「三つなんて健康なのと一緒、僕なんか五つもある。」
   A:「それは凄い!」
   C:「五つなんて問題にならない、僕は……」
何が凄いのか知らないが、不健康であるほど、まるで英雄扱いになる。
特に会社員の場合、健康に恵まれないのに、あるいは健康など無関心で、ひたすら会社と事業に尽くす事が、会社への忠誠心の表れと誤解されている。

子供の出来の悪さも自慢になる。
   A:「ウチのガキは大学受験で全滅、浪人が決定。」
   B:「今の世の中、一浪なんて現役と一緒。我が家は二年目も全部ダメだった。」
   A:「そりゃあ凄い!」
こちらには、よそにはもっと悲惨な子供がいる事を確認し、「あそこよりもラッキー」と安心させる効果があるので、それなりに意味のある不幸自慢だ。

僕もまた、子供の教育には悩んだ。
とにかくどんなオンボロ大学でもいいから、何とか合格して欲しいと祈ったものだ。
そんな悩みを、取引先のエライさんに打ち明けた。

我が家の近所に、駅弁大学ならぬ、「立ち食いうどん大学」がある。
僕もこの地に引っ越してくる前までは、その名前すら知らなかったくらいだから、レベルの程は推して知るべし。
近所を跋扈する学生諸君も悉くアホズラで、偏差値もさぞや低いと思われる。
初年度全ての受験に失敗した我が愚息に、「滑り止めに、あの大学を受験したら」と勧めたが、「あそこだけは絶対にイヤ!」と、頑強に拒否された。
「受験するだけでもカッコ悪くて、友達に話せない」とまで言う。

そこで顧客のエライさんに、「愚息には、どこでもいいから潜り込んで欲しいものだが、分不相応に生意気にも、受験大学を選り好みしましてネ」と、この話を披露したところ、「実はウチの息子はそこにも落ちました」と告白されて、話の接ぎ穂を失ってしまった。
   僕:「イヤァ、アソコにまで落ちるとは、オタクのご子息は凄いですね!」
   客:「これでも○○さんよりも恵まれている。アソコの娘はスケバンで……」

オトコ達は、こんな話でお互いを慰め合い、安心材料を探しているモノだ。
悲しいナァ。