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鳩山由紀夫の「民意」とは?

鳩山由紀夫のクリミア訪問が、悪評紛々だ。
何せ日本政府の、度重なる中止命令を無視してのクリミア訪問。
それだけでも問題視されるのに、現地でクリミアの住民投票は民主的手続きに則ったものとお墨付きを出したのだから、日本政府の立場はない。
実弟鳩山邦夫からは、「宇宙人で、日本人ではない」と突き放され、元身内のはずの民主党からも批判された。
これでは四面楚歌どころか、味方が皆無の状態に陥ってしまった。
鉄面皮の鳩山由紀夫も、流石に心中は穏やかではないのだろう。
産経新聞によると、帰国後は暫くダンマリを決め込んでいたらしいが、ここにきて、自分の行動の正当性を訴え始めたようだ。
しかしそれでも、鳩山由紀夫への賛成意見は現れない。

どうにも、救いがないようだ。
が、見方を変えて、そんなにボロクソに言われなければならない事かと、何とか鳩山由紀夫の行動のプラス部分を探してみた。

先ず、ロシアがクリミアを併合した事について、国際的には、と言うか、少なくとも日本では、すっかり過去も出来事になってしまい、今でも問題意識を持っている人はほとんどいなくなっていた。
今回の鳩山由紀夫の行動は、アメリカからも不快感を持たれ、日本でも賛同者は皆無。
しかし改めて、つい最近ロシアがクリミアを併合した事を思いださせる効果があった。
いくら安倍晋三菅義偉官房長官が、「鳩山元首相はケシカラン」と喚き散らしても、政治家としての問題発信力は、鳩山の方が上!(の部分がある)……と考えられないだろうか?
……….尤も現役の政治家で、首相、官房長官の要職にあるご両人と、選挙で落選し引退した鳩山由紀夫では、責任の重さに違いがあり過ぎるが………。

しかしどんなに欲目、贔屓目で見ようと思っても、鳩山由紀夫に関しては、元政治家としてだけでなく、人間としても常識がなく、頭がおかしいのではと疑いを持った点がある。
それは、彼がクリミアの国民投票は正当だったと評価した裏付けの点だ。
彼は一体、どこで、誰に、どのような質問をして、あのような結論に至ったのだろうか?

そもそも鳩山由紀夫が、あれほどの反対を押し切ってまで訪問したクリミアに滞在したのは、わずかに三日間。
彼は最初から、「クリミア併合に関して、国民の考えを聞きたい」と話していた程だから、「精力的にあらゆる場所に出かけて、多くのクリミア国民に質問したい」と要請したとは思う。
しかし今のロシア政府は、果たしてどこまで許可したのだろうか?
そもそも国民投票の結果、95%がロシア併合に賛成したとされているが、そんな偏った数字は絶対に怪しいと思わなければならない。
95%と言うのは、反対がないに等しい。
それほどの国民がロシア併合を望んでいたのなら、それまでのウクライナ政府は統治の仕様がなかったはずだ。
極端な支持率を掲げる政府は、どこもここも悉く胡散臭い。

ごく普通に考えれば、鳩山由紀夫が滞在中に訪問できる場所は限られているし、ロシア政府が案内したのなら、彼らに都合の悪い場所に連れて行くはずがない。
北朝鮮だって、政府関係者が連れて行く場所に限れば、国民の生活は豊かだし、誰一人政権に文句を言う人はいない。
そんな場所で、「民意を聞いた」積りになると、全く事実と違う情報を発信してしまう。
元とは言え政治家、鳩山由紀夫なら、絶対に押さえておかなければならない、基本中の基本だ。
しかし鳩山由紀夫は、自分が聞いた話を批判的に問い直した風情はない。
これでは最初から「ロシアは正しかった」の、結論ありきの行動としか思えない。
ロシアが鳩山由紀夫を喜んで迎え、鳩山由紀夫が現地で調査した結果が、「ほぼ全員がロシア編入を喜んでいた」のなら、むしろ実態は逆と思った方が正しい。
無邪気で能天気に、宛がい扶持で判断しているようでは、民主主義国家の元政治家、更には元首相の名前が泣く。

何とか鳩山由紀夫がとった行動のプラス面を探したかったが、こんな無様な対応を見せつけられると、一時的にせよ彼が党首だった民主党への政権交代は、やはり失敗だったと反省させる効果しかなかった。