昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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スマホ紛失の顛末記

朝方8時過ぎに、ホテルのクラークから電話があった。
Mr.○○,Good news!」と、声が弾んでいる。
昨日紛失した、妻のスマホに関する電話なのはすぐに分かるが、早口で聞き取りにくい。
すぐに受付に出かけた。
すると、「昨日の自分の届出に対して、先ほどミュンヘン駅から電話があった。I-フォン6で日本人のスマホの落し物が届いているらしい。奥さんのものの可能性があるので、すぐに駅まで行ってみれば」との説明だった。
取るものも取り敢えず、妻と共にミュンヘン駅に直行。

落し物センターには、どうやら落としたのか盗まれたのか、若い女性の先客があった。
この女性は、机を叩きながら、「何とか品物を探して欲しい」みたいなことを必死に訴えている。
こちらも妻のスマホを早く確認したいのだが、女性の剣幕と「First-come,first-served.」原則を守らないといけないので、じっと我慢して列に並んでいた。
すると、女性の訴えを面倒くさそうに聞いていた駅の係員が我々夫婦を認めて、「お前たちの探し物はこれだろう?」みたいにスマホを掲げた。
ところが、白い紙にくるまれているので、色が違って見える。
妻の方からは実物より大きく見えたらしく、「自分のではない」と直感して、すっかり落ち込んでしまった。
女性はそれから5分くらい粘っていたが、結局は埒が明かず、ついに訴えをギブアップ。

やっとのことで、我々の順番になった。
係員が笑顔で、「待ち受け画面がバイエルン・ミュンヘンだぞ」と言った途端、妻は破顔一笑
「それワタシの、サンキュー、ダンケシェーン!」と日本語、英語、ドイツ語のごちゃ混ぜで感謝していた。
係員から「費用は5€」と言われても、安いもの。
昨日ショックで呆然としていた妻は、「これはバイエルン・ミュンヘン画面のお陰」と、ニコニコ顔でホテルに帰ることになった。
妻には「明日の朝、ひょっこり出てくるかもしれない」と、まるで根拠のない慰めを言っていたが、実の所は海外での紛失劇だったので、90%以上諦めていた。
それが届けられたと聞いて、拾ってくれたミュンヘン市民に感謝感激。
サッカーも当分は、バィエルン・ミュンヘンを応援し続けることになるだろう。
ホテル到着後、すぐにホテルクラークに挨拶とお礼して、昨日にネット経由で手配した使用禁止措置を解除した。

この一件で、すっかり心がリラックス。
最後の一日を楽しく過ごそうと、町に出かけた。
ところがこの日は、日曜日。
町にはほとんど人影がない。
因みにと、青空市場に行って見ても、人っ子一人いない。
やむを得ず、駄目元でナショナルミュージアムに行ってみる。
すると、日曜日特価で入場料がわずかに1€。
それでいて、盛り沢山のバイエルン地方の歴史的遺産が展示されている。
観客は、ほとんどが現地の夫婦連れで、おそらくは50人もいない。
今まで散々悩まされた、うるさい中国人の姿は、どこにも見えない。
これほどゆっくりと、美術品を鑑賞できたことは今までにない経験だった。

これで今回のヨーロッパ旅行は、全ての予定を終了。
明日のJALで、帰国する。
終わり良ければ、全て良し!
色々とあったけど、妻との41回結婚記念旅行は、楽しい思い出となった。