昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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入院、手術

日曜日午前9時過ぎに、一緒にテレビを見ていた妻が、突然「腰が痛いから休む」と言い出した。
僕はその日、知人が水彩画の個展の最終日なので、陣中見舞いに行く積りで準備していた。
そろそろ出発の10時頃、二階の妻から電話がかかってきた。
「痛くてたまらないから、緊急病院に連れて行ってほしい。」

こうなると、何よりも病人を最優先しないといけない。
慌てて消防署に電話して緊急病院の所在を聞くと、近所の整形外科を紹介された。
「腰が痛い」のをギックリ腰と早とちりしたようで、この病院では痛み止めの薬を貰っただけ。
翌日、近所でも一番大きな病院で、診察を受ける事になった。
この結果は、「ほぼ間違いなく結石なのだが、当病院では手術設備がないので」と、これまた近所の病院を紹介され、手術も金曜日と決まった。
随分とノンビリとした話とは思ったが、医者と設備の都合もあるかと思い、取り敢えずは痛みが再発しない事を祈りながら帰宅した。

しかし妻は、帰宅後すぐに「痛い、痛い」と言い出した。
痛み止めも、一時間ほどしか持たない。
僕は経験がないから分からないが、実際に結石を患った人の話では七転八倒、例えようがないほどの痛さに襲われるらしい。
僕の先輩は、この痛み止めでモルヒネを使用したところ、退院後にモルヒネ中毒にかかってしまった。
余りの痛さに嘔吐まで引き起こし、見ているだけでこちらまで気分が悪くなる。
火曜日朝一番で、手術予定の病院に連れて行った。

ここでの診察結果は、「昨日からの一日で腎臓の機能が著しく低下しているので、即入院、即手術」との事。
アッと言う間に、その日の午後三時からの手術まで決まってしまった。
全身麻酔の手術なので、かなり深刻だ。
いつもは楽観的な妻も、流石に緊張気味だった。
およそ一時間の手術が終わった後、執刀医から僕に結果説明があった。
最近は患部のCTスキャンが立体的に表現され、素人が見ても状況が分かり易い。
患部に明らかな石があり、これを取り除くためには、今回はバイパスを埋め込み、二週間を過ぎた頃に問題の意思を取り除く手術を行うらしい。
更に妻の場合、極めて珍しい例で、左右両方の腎臓に石があり、これが同時に尿道に落ちると、腎不全の恐れがある。
むしろ今回、そのような状況が判明したのが幸運だったとも言われた。

五日前までは海外を旅行中だったと言ったら、「その時でなくて良かったですよ」と言われると、不幸中の幸いだったのかなとも思ってしまう。
最初の手術結果は大変良好なので、後は体力の回復を待って、石を取り除く本格的な手術をする事になる。

それにしても、僕の知る限り男性の結石患者は痛さに耐えきれず、大騒ぎをする傾向がある。
一方の女性は、お産にも耐える辛抱強さからか、痛みを我慢できる限度が男性よりも遥かに大きいような気がする。
自分が結石になったら、世も末の如くに嘆き苦しむに違いない。
何としても、事前に予防しなければならない。