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一票の格差是正に反対!

最高裁で、参議院選挙での「一票の格差」は憲法違反と判断され、その是正の為の公職選挙法改正案が、参議院を通過した。
次回の参議院選挙から適用されるらしい。
 
この法案の成立で、「鳥取と島根」「徳島と高知」の選挙区を統合し、「10増10減」を目指すようだ。
これで「一票の格差」は三倍を切る2.97倍になるらしいから、憲法違反の誹りは免れそうだ。
ところが当然ながら、統合される選挙区の議員は大反対した。
自民党の議員ですら造反したし、日頃は与党として、自民党と共同歩調を取る公明党も、この法案に反対票を投じたのも話題になっている。
 
僕も、果たしてこんな法案で、平等になった、あるいは平等に近づいたと言えるのかと疑問に思う。
 
そもそも一票の格差が5倍なら憲法違反で、3倍なら合憲なんておかしい。
格差を問題にするのなら、全く同価値にしないといけないはずだ。
しかしそうすると、大半の議員が都会から生まれ、田舎からの代表者は激減する。
今回の新法案もまた、参議院議員がゼロになる県が発生すると懸念されている。
 
要は、世の中には、完全な平等なんてないのだ。
しかし更に俯瞰してみると、個別には不平等に見えても、トータルではチャラになる。
ゴルフをやるといつも実感する事だが、世の中は、細かい運、不運の差があっても、実は大きな意味で平等になっているのではないだろうか。
 
都会と田舎も、その一例だ。
田舎は、周囲には自然に満ち溢れているが、その分、買い物も不便だし医療も充実していない。
文化的施設も乏しいので、過ごしやすい面と過ごしにくい面が併存する。
都会はその逆で、生活は厳しいが、その分、何をするにも便利だ。
謂わば、トータルチャラ。
 
最高裁の判断だから「一票の格差」是正は正しいと信じられ、やらないといけない政策にされているが、何をやっても完璧なものなどあり得ない。
あちら立てればこちら立たずで、矛盾を解消した積りが、別の矛盾を生み出してしまう。
法衣を着て、勿体ぶった顔で裁判長席に座っているから、如何にも偉い人と思うが、裁判官なんて前例をたくさん勉強して、司法試験に通っただけのオッサンでしかない。
司法試験で人間性が分かる訳でもないので、彼らの判断が絶対に正しいなどと盲信しない方が良い。
そんな最高裁が決めたからと言って、「一票の格差」是正に着手すると、実は何をしても地方の切り捨てにならざるを得ない。
 
田舎に住む人にとって、自分たちの生活環境の改善を担ってくれる人がいなくなると、不便さを我慢しなければならず、そうなると若者は都会に出ていき、更に過疎化が進む。
それはまた、「一票の格差」を更に拡大していくとの、悪循環を重ねる結果となる。
都会への一極集中は、日本全体の健全な発展を阻害する。
田舎の自然があるから、都会で快適な生活を送ることが出来る。
 
人間は、一見不平等に見えたとしても、実は平等だ。
それを人間の浅知恵で、局所局所まで無理やりに平等化を推し進めると、却っておかしな事を晒してしまう。
選挙制度の、都会と田舎の一票の格差なんて、あって当然!
そう考えた方が、現実的だ。
生粋の田舎ッペの僕は、田舎の意見が無視されがちになる世の中は、御免蒙りたい。