昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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いつもながらの本末転倒

いつの世の中もそうだが、最近でも大事件が続く。
日本では調布で小型飛行機が民家に墜落したし、隣国、中国は天津の大爆発が起きた。
いずれでも驚くのは、撮影された事故現場の映像が多いことだ。
一昔前までは考えられないほど、一般市民が偶然に撮影したものが、続々とテレビに映し出される。
スマホを持つ人が増えるにつれて、どこでもすぐにカメラやビデオで撮影する人が増えた所為だ。
身近の機械がドンドン進化し、その結果、大ニュースが素人に撮影されるチャンスが激増している。
悪いことではないだろうが、それでも違和感を持つ。


調布では、慌てて火災現場に駆けつける人に向って「声がしたから助けに行ってくれ」と話しながら、自分は撮影を続けている人物がいた。
この人の撮影したフィルムが、繰り返し放送されるのだが、そんな撮影よりも、自分でも助けに行ったらどうだろう。
天津の大爆発では、窓から花火でも見るかのように撮影しているし、搭乗している車が爆風で押し動かされるシーンを撮影されていた。


撮影した本人は、ニュース報道の一員のような使命感を持っているのかもしれないし、撮影したフィルムはニュースバリューがあるだろう。
しかし不幸にしてこんな場面に遭遇したら、撮影よりも前にやるべきことがあるのではと思う。
本人も含めて、身の安全を図ることが最優先のはずだ。
臨場感溢れるシーンの撮影は、プロカメラマンの領域。
マチュアのなすべき行動は、一に危機に瀕した人命救助、二に自分の安全確保だろう。


大阪、寝屋川の中学生二人が殺害された事件は、現在進行形だ。
容疑者は逮捕されたが、未だに謎が多く、容疑者本人の自白がなければ、問題解決までにはかなりの時間がかかるような気がする。
この事件では、大量の防犯カメラで撮影されたフィルムが紹介されている。
そのお陰で、容疑者の絞込みが可能になったのだが、改めて、町中に防犯カメラが張り巡らされていることが分かった。
それでも尚、一番肝心の、容疑者と被害者二人が接触した瞬間は撮影されていないらしい。
こんな悲惨な事件の再発防止のために、更に多くの防犯カメラ設置が検討されていると聞く。


防犯カメラが導入される時には、「プライバシーが侵害される」と反対する人も多かったし、今回の事件で「防犯カメラは犯罪の抑止力にならない」と力説するコメンテータもいる。
しかし防犯カメラのお陰で、この間、日本中で発生した多くの大事件で、犯人逮捕に至っている。
仮に防犯カメラがなかったとしたら、迷宮入りした事件が増えたはずだ。
防犯カメラの目的の「防犯」は、日本人の「どんなに隠れても、お天道様は見ている」意識に訴えることで達成されるモノだ。
だから防犯カメラは、間違いなく犯罪の抑止力にはなっているが、それでも、今回のような事件がゼロにはなることはない。
防犯カメラさえあれば、犯罪がなくなるはずと思うのはあまりにも短絡的だし、犯罪がなくならないから防犯カメラは不要と言うのは、単なる言いがかりだ。


どんなに時代が進んでも、事故も犯罪も、皆無になることはない。
少しでも少なくするためには、少々の不便さやプライバシーも、犠牲にせざるを得ない。
寝屋川の事件を防止できなかったことで、防犯カメラ設置に反対するのは、本末転倒の議論だ。