昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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世の中、バカばっかり!

実は多くの人が、世の中に様々な不満を持っている。
中でも一番大きいのは、自分の処遇、自分への評価への不満だ。
基本的には誰もが、自分に甘いし、自分を過大評価する。
その割には、現実は、なかなか自分が満足できる生活環境にならない。
そんな時に多くの人は、その原因が自分の方にあるとは思わない。

自分への我田引水の評価や考えを見直すのではなく、「世間がおかしい」「世間が自分を見る目がない」と思い込む。
そして決め台詞、「世の中、バカばっかり」と憤る。
確かに、本当に有能な人物なのに、なかなか活躍のチャンスが与えられない人もいるだろう。
しかし、それが世の中だ。
有能だったら必ず成功するわけではないし、正しいから必ず報いられるシステムではないことを思い知るべきだ。

独裁や全体主義では、「自分だけが唯一の正義だ」と、極めて少数意見であらゆることが決められる。
しかし民主主義の世の中では、そうは簡単ではない。
どんなに正しいと信じていても、必ずしも報われるわけではないからだ。
民主主義は、より多数の意見で意思決定される。
ところが一番の問題は、多くの人の意見だからと言って、別段客観性があるわけではないことにある。
誰でも、自分の利益につながることに賛成し、不利益になれば反対する。
この時は、必ずしも大所高所で「正義だから」賛成、若しくは反対するのではなく、まことにちっぽけな我が儘が、判断基準になっていることが多いのだ。

だから我々は欲求不満にならないためには、自分の意見が多数派になるように努力するしかない。
仰々しく、正義を振りかざしてもダメ。
「こっちが儲かりマッセ」と、利益を訴えないといけない。
我こそ正義なりと信じている人は、そんな現実に違和感を持ち、やりきれない思いになる。
そして、「世の中、バカばっかりだ」と口にする。
気持ちは分からないでもないが、民主主義とはそんなストレスがいっぱいの制度だ。
しかしそれでも、少数エリートがすべてを決めてしまう社会よりも、他人をバカ呼ばわりしても拘留されることのない、民主主義の方が圧倒的に住みやすい。

学生デモのリーダーが、自国の首相をバカ呼ばわりして話題になった。
このオトコもまた、世間知らずの勘違い人間だ。
この学生リーダーは、自分の意見こそが絶対真理と思い込んでいるようだが、それは野党の意見でしかない。
彼は首相をバカと罵倒したが、そんな「バカ」首相を支持する人、しない人は、それぞれが約40%。
彼の意見が正しいとすると、世間の40%の人はバカになる。
彼がバカと思う首相と首相支持者から、彼と彼の支持者に対して「バカはお前だ」と言い返され、至る所で相手をバカと罵倒する世の中になってしまう。

むしろ、そんな暴言を吐いても逮捕されないどころか、むしろ英雄扱いされるのは、日本がいかに住みよい国であり、自分がどれほどその恩恵に浴しているかを認識するべきだ。
現在の議会制民主主義では、そんな品のないパフォーマンスで受け狙いをするよりも、民主主義の原則に則って、次の選挙で自分たちの意見を多数派にして、今回の安保関連法案を廃案にすればよい。
そうでなければ、一杯飲み屋で「世の中、バカばっかり」と、仲間内の与太話に興じるオヤジと何一つ変わらない。