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高木毅復興相がついに更迭らしい

産経新聞によると、野党の攻撃の的になっていた高木毅復興相が、ついに更迭されるらしい。

疑惑のポイントは二つ。
一つは政治資金規正法違反。
高木毅が、自分の選挙区内の葬儀の香典を、政治資金から支出していたとされる問題。
これは本人が参列していて、私費で出したと言い訳したが、貰った側が代理人の参列だったと証言したので、更に恥の上塗りとなった。
二つ目は過去の破廉恥罪で、女性の下着を盗んだ事件が公になったこと。
こちらは「身に覚えがない」とシラを切っているが、ウソを報道したことになる週刊誌を名誉棄損で訴える積りもない。
これでは、身の潔白を証明することができない。

「与えられた復興相の仕事に邁進するのが私の務め」と言い続けても、いつまでもこんな疑惑を抱えたままでは、政権側もとても庇いきれるものではない。
安倍晋三が、トカゲのしっぽきりに踏み切るのもやむをえまい。
安倍晋三に残された課題は、任命者責任をどう逃れるかだ。
こんな人物を大臣に起用したのは、身辺調査不足だった自らの不徳の致すところだが、安倍晋三にとっては頭の痛い所だろう。

ところで問題の高木毅更迭だが、世間的にはその理由として、圧倒的に下着泥棒の方に焦点が当たり、大臣としての適性を問われている。
しかし僕は、むしろ政治資金規正法違反の件が、言い訳が効かない致命的な失策と思っている。
今までもたくさんの大臣が、この違反行為で辞職を余儀なくされているからだ。

むしろ下着泥棒と疑われている過去の破廉恥事件の方は、今更問題視するのは如何なものだろうと同情的だ。
この事件は、もともと地元では常に話題になっていたものだったらしい。
と言うことは、高木毅はそのような事件を起こしていたにもかかわらず、国会議員に当選していたことになる。
額面通りに解釈すれば、こんな破廉恥事件を犯した人物でも、彼の選挙区、福井三区の有権者からは、国会議員としての資質があると評価されているのだ。

おおさか維新の会の作り上げた、橋下徹が、議論の都度使う決め台詞がある。
「政治家は選挙で審判を受ける!」

確かに、世襲で身分が保証されている割には、世間的な評価と扱いが高い歌舞伎役者や、親の七光りを頼みとする二世タレントは、例え大した実力がなくても、それなりに活躍の場を与えられている。
しかし政治家の場合、政治家であり続けるためには、たとえ二世政治家でも、毎回選挙で当選しなければならない立場だ。
身の保全の厳しさが違う。
だから選挙で当選したということは、あらゆる過去の悪行も昇華され、政治家として認められたとも考えられる。

また仮に、高木毅の恥ずべき過去が事実としても、殺人にさえ時効があるくらいだから、それを反省し、立ち直るための努力をしたのなら、もはや不問に付すべきだ。
むしろ高木毅が、自分の恥ずかしい過去を乗り越えて国会議員にまで上り詰めたのなら、同じような過去を持つ人間にとっては、「あんなことをしても、その後の努力次第では過去を償うことができる」と、憧れの的にもなりうる。
だから高木毅は、「若気の至りで仕出かしましたが、決してカッコよい事件ではないので黙っていました」と、カミングアウトした方が潔い。

政治家として有権者から信頼を得たいのなら、下手な隠し立ては却って悪い印象を与える。
誰だって過去を振り返れば、人から後ろ指をさされるようなことの一つや二つ、あっても不思議ではない。
また他人には知られていなくても、自分自身の行いに天地神明にかけて、一点の曇りもないと断言できる人は少ないはずだ。
しかし肝心の高木毅には、自分の過去をなかったものにしようと画策している節が見え隠れする。
世のため、人のためにせっかくのチャンスなのに、まことに残念なことだ。