昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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人類は電力不足で破滅する

 
妻の病室に、定期的に医者と看護婦たちが訪れてくる。
体温や脈拍チェック、「お変りありませんか?」と様子見、その他諸々、病院側スタッフの重要な業務だ。
今回の入院で気が付いたが、その看護婦たち全員が必ずパソコンを持参して、採取したデータをすぐその場で入力している。
聞くと、病院全体がペーパーレスになったらしい。
「少し前までは、患者のカルテを探すだけでも一仕事だったので、業務が簡素化されて助かる」と話す。
 
一旦このようなシステムになると、もはや昔には戻れない。
ペーパーレスは森林保護につながると、一時期大いに持て囃された。
妻が入院した大学病院が、率先してこのペーパーレスを採用したのなら、周辺の病院もこぞって追随するだろう。
病院からカルテが消える日は、そう遠くはない。
 
ペーパーレスは割り箸廃止の動きと同じで、森林を保護し、二酸化炭素排出を削減できると思われ、如何にも良い取り組みのように考えられている。
しかしこのようにデータを電子化するのは、実はそうでもない。
なによりも電気を使用することで地球温暖化に悪影響を与えているし、発電には化石燃料を大量に使用してしまうからだ。
森を守れば、地球が救われるわけではない。
地球を救うためには、人間が不便な生活を厭わない努力が必要なのだ。
 
太陽光発電もまた、地球温暖化の救世主のように扱われた時期がある。
忘れもしないが、政権運営が完全に行き詰り自らの政治資金問題で進退窮まった菅直人と、政商、孫正義の二人が、鳴り物入りで「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を導入した。
しかし諸外国では、とっくの昔に破綻していた制度だ。
何故なら太陽光発電のコストは、他の発電に比べ倍も掛かる。
即ちこの制度で、太陽光発電が進めば進むほど、一般消費者の負担が増えてしまうのだ。
案の定、太陽光発電は全く広がらない。
日本最大手のシャープでも、この事業が一番経営の足を引っ張っているために、今回親会社になった鴻海は、太陽光事業だけは売却すると発表しているくらいだ。
 
ところが最近ウォーキングの途中で、我が家の近所の畑がこの太陽光発電所に変っているのを見つけた。
すぐ隣は、普通の民家がある。
恐らくは買取制度を見込んだ太陽光バブルで一旗揚げる積りだろうが、太陽光がパネルに反射するので、周囲は迷惑千万だろう。
しかしそれより何より、この設備のチャチさ加減に驚いてしまった。
基礎の土台には基礎すら施されていないし、柱も細いスチール菅に過ぎない。
こんな設備では、耐用年数は5年程度だろう。
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こんなところで発電する電気は、絶対に安定供給源にはできない。
太陽光発電は、Sustainable Energy、即ち持続性のあるエネルギーと言われている。
化石燃料が有限の資源なのに比べ、太陽光がある限り発電ができると思われているからだ。
しかしその設備は貧弱そのもので、発電所として信頼できる代物ではない。
 
僕は、太陽光発電そのものを否定するつもりはない。
(自分は決してやらないが)地球全体のことを考えて、各家庭が、自己責任で、少々コストが高くても、自宅の屋根にソーラーパネルを設備するのは反対はしない。
しかし所詮はソコまで、電力を使い続ける限り、残念ながら火力、水力の発電に頼らざるを得ないことを自覚しなければならない。
その部分では、後戻りが出来ないような、電気大量使用型の生活を謳歌しておきながら、一方では太陽電池のような非効率な発電システムを過大評価する。
地球温暖化を懸念するのなら、便利な生活をあきらめ、電力消費を抑えるしかない。
その覚悟は皆無のまま、小手先の対応を賛美しているようでは、実は地球の破滅を早めるだけだ。
電力が不足する事態は、人類滅亡につながる。