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イチローの世界記録

イチロー選手のヒット数が、ピート・ローズの世界記録、4256本を超えた。
日本では、号外まで出る大騒ぎだ。
 
ただしこれは、日本プロ野球と大リーグの両方で達成した合計記録だ。
日本でイチロー選手の記録を絶賛すればするほど、アメリカでは反論が出てくる。
当事者、ピート・ローズは、イチローを称賛する一方で、「記録は大リーグだけに限るべき」とピシャリと言い放った。
産経新聞はこれに対して「ローズ氏のイチロー選手の偉業を貶めるような発言は、残念でならない。野球賭博問題で、球界からの永久追放処分が解けない苛立ちの所為だろうか」と不満と皮肉をかませた。
僕は産経新聞の愛読者だが、この記事には賛成できない。
イチロー自身も記録達成の記者会見で、「合算で達成したのだから、いずれにしてもケチが付く」と認めているくらいだ。
 
アメリカでは、ベースボールは国技扱いだ。
そんなアメリカが、アジアの片隅、極東でプレイされる、日本野球の成績を認めるはずがない。
それは日本人が、韓国リーグの成績に無関心であることと一緒だ。
アメリカ人は、ベースボールの話になると、妙にムキになる。
日本人がシャカリキになって、アメリカ人に対して「イチローが世界一」とでも主張しようものなら、無用な喧嘩を引き起こすことになる。
 
僕は、イチロ選手ーの世界記録を、貶す積りではない。
日本では当然のように、王貞治のホームラン記録が世界一と思われている。
しかしアメリカでは依然として、ベーブ・ルースハンク・アーロンこそが世界一のホームランバッターだ。(バリー・ボンズには薬物問題が付きまとっているので、少々複雑な思いのようだが。)
彼らは、ベースボールだけしか認めていないし、当然のように日本の野球には関心がない。
だから、アメリカがどう思おうと関係なく、日本が認定する野球界の安打数世界記録は、イチロー選手の記録と思っておけばいい。
 
イチロー選手は、42歳。
今回の偉業達成後、帽子を取ってあいさつした時には、白髪が目立った。
そんな彼だが、今年は不本意な起用方法にも拘らず、三割を遥かに超える打率を残している。
全く老け込む様子もないので、50歳までは現役続行が可能との意見もあった。
それならこのまま、大リーグでピート・ローズの記録に挑戦すればよい。
尤も記者会見のクールな受け答え振りを見ると、イチロー選手は記録そのものを、「大したものではない」と思っているようにも感じられる。
 
ピート・ローズの世界記録に拘るアメリカ人よりも、阿ることのないイチロー選手の姿勢の方が、却ってカッコ良い。