昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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メルク修道院

ツアー旅行と違い、我々夫婦の旅は勝手気ままなので、朝はゆっくりできる。
しかしウィーンの三日目は、メルクまでの汽車、船乗り継ぎの旅行日。
前日に駅まで行き、世界遺産ヴァハウ渓谷見物のコンビネーションチケットを購入した。
これはウィーンからメルクまでの鉄道、メルク修道院の入場料、帰りのメルクからクレムズまでの船とクルムズからウィーンまでの鉄道料金を、まとめてゲットできる優れもの。
それによると、午前8時20分、Westbanhbt(日本的に言えば西ウィーン駅)発の電車に乗らないといけない。
今までは眠くなったら寝て、自然と目が覚めたら動き出すような生活を繰り返してきたので、時間に制約が発生すると、途端に緊張する。

朝一番でホテルの朝食をとり、とるものも取りあえず、地下鉄を乗り継いで西ウィーン駅へ。
そこから始発電車で1時間2分後メルク駅到着。
観光客は数十人規模なので、今までの世界遺産に比べるとゆったりと鑑賞できる。
大昔の大聖人、ベネディクトさんが作った大学や図書館、教会などの荘厳な建物を見学した後は、メルク市内で昼食。
しかし世界中どこでもそうだが、景色の良い観光地には美味いものを食べさせる食堂などない。
メルク市でも色々探し回った結果、結局はファストフードのイタリアレストランへ。
ここで、味付けだけがやたらと濃いボロネーゼを食べたが、その後は一日中胃持たれ感が続いた。

13時50分メルク発のクルーズ船中で、たまたま隣に座った日本人若者二人組の話を聞いた。
二人とも、今春からウィーンに留学して、音楽の勉強中らしい。
一人はオペラ歌手を目指し、もう一人はドイツリートの歌手を目指していると話していた。
何でも、日本の音楽大学を入学した時から、卒業後はウィーンで更に専門的な勉強をすると決めていたというから、なかなか見上げた根性だ。
音楽好きの妻と、大いに話が弾んでいた。
僕はそんなに専門的な知識がある方ではないが、それでも日本人が遥かウィーンにまで出かけてきて、自分の夢を追い求める姿には応援したくなる。
「アンタ達ぁ、エェ根性と、エェ経験をしてるデ」と、エールを送っておいた。
将来彼らが、音楽の世界で大成功をおさめたら、それは僕のエールが効いたと自慢しよう。

船がクリムズに到着した後は、オーストリア鉄道に乗り継ぐ計画だ。
そこで駅まで歩くことにしたが、肝心の駅の在りかが不明だ。
途中ですれ違う人に三度、四度と質問するが、英語が通じなかったり、駅の存在を知らない人だったりでさっぱり分からない。
15分近く歩き回ってやっと出会ったクロアチア人女性が「それならズットズット前方(Far,far away)」と教えてくれた。
彼女も同じ方向というのでついて行ったが、結局30分以上もかかってやっと国鉄クレムズ駅を発見できた。
同じクレムズ駅を名乗りながら、船と列車がこんなに離れているとは想像すらできない。
クロアチア人に巡り合えなかったら、途中で挫折していたと思うと、今回もラッキーだった。

予定では、ここからちょうど1時間で、ウィーン市内に戻ってくるはずなのに、途中の列車離合の度に止まってしまい、結局到着は30分近くディレイ。
すっかり腹が減ったので、ホテルに帰る前に、近くの日本料理店「日本橋」へ。
この店は現地でも人気のようで、前日午後7時ころに予約なしで訪問したら、「9時からならOK」と言われるほど混んでいた。
この日は運よく、二人用の席が空いていて、ここで半年ぶりに本格的な日本料理を食べた。
やはり日本人にとっては、日本食は心が落ち着く。