昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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サンクトペテルブスブルグで病に

初見参のサンクト・ペテルスブルグだが、到着翌日に大きく躓いた。
午前5時過ぎに目が覚めたが、体調がおかしい。
数日前から胸に圧迫感があったが、それは無理をした時だけだったので大事とは思っていなかった。
しかしこの日は、何もしていない朝一番から少々苦しい。
どんな格好で寝てみても、楽にならない。
更には、嘔吐感までしている。
トイレに行くと、胃酸が上がってくるだけで、吐くものは何もない。
こんな異国で、しかも国はロシアとなると、満足な治療も受けられないだろう。
何よりも病気の症状を、正確に医者に伝えることができるだろうか?
また用心するように言ったつもりだろうが、「胸の圧迫感は心筋梗塞の恐れがある」との、妻の言葉が蘇ってくる。
ホテルのベッドで、すっかり不安になってしまった。

まもなく起きだしてきた妻から、胃薬と風邪薬をもらう。
食欲も皆無なので、朝食用として妻が近所のスーパーまでフルーツを買いに行った。
しかし小一時間で帰って来た妻によると、「散々探したけど、果物を売っている店はない」とのことで、やむを得ず菓子パンとジュースで腹を満たす。
そのうち、風邪薬の効果か、眠くなってきたので、昼過ぎまで就寝。

目を覚ますと、ゲップを頻発するが、嘔吐感は消えた。
胸の圧迫感は、少し緩和した程度だが、これなら何とかなる。
食欲は全くないので、夜は妻が頼んだルームサービスのスープを一飲みしただけで、午後7時半からのミハイロフスキー劇場のバレー公演を見に行った。
レニングラード国立バレー団の末裔なので、期待感は大。
およそ500人で満席の劇場は、満席状態。
日本人や中国人がたくさん来ていた。
演目は「ジゼル」。
プリマドンナが、途中の決め場でよろけたり、演技途中でフラッシュがたかれるハプニングがあったが、初めてのバレー見物はなかなかの迫力だった。

ホテルに戻っても、食欲は戻らない。
結局この夜は、なにも食べることなく、ひたすら水だけを飲み続けた。