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鳥越俊太郎とドナルド・トランプ

鳥越俊太郎東国原英夫のバトルが面白い。
東国原はその昔、鳥越俊太郎から「アンタは宮崎県知事で終わった」と言われたことを、今でも根に持っている。
そんな東国原にすれば、鳥越が東京都知事選で見せた様々な醜態は、格好の意趣返しのチャンスだった。
鳥越のダッチロールは、都知事選終了後も続いている。
と言うよりも、更に迷走状態がひどくなっているのでので、東国原の舌鋒は益々鋭くなっている。
とうとう番組終了後に、鳥越が東国原と仲直りをするために話した裏話まで暴露した。
何と鳥越は東国原に、「実は都知事選は思い付きで立候補した」と白状したらしい。
さすがにこんな東国原に対しては、「内緒話なのに、ちょっとやり過ぎ」との批判も出ているようだが、東国原にとっては、鳥越の内実をバラす事でのデメリットはない。
恐らくは今後とも、東国原の鳥越批判は続くだろうし、鳥越はマスコミはおろかゲイノー界での生き残りも厳しくなるはずだ。
 
しかし僕は、鳥越が単なる思い付きで東京都知事選に立候補したとしても、そのことを批判するのはおかしいと思う。
都知事選に立候補するのに、別段何かの資格が必要なわけではない。
東京都知事になって自分の思いを遂げたいと思うのなら、それがどんなヤツでも、どんな思いでも、立候補するのは自由だ。
現にどんな選挙でも、いわゆる泡沫候補と称される連中が、大量に立候補している。
ただそんな候補者たちは、晴れて合格する確率が天文学的に難しく、且つ少ないだけだ。
 
鳥越の場合、直前の参議院選挙で改憲勢力が三分の二を超えたことに危機感を持ち、何としても東京都だけは憲法を守るとアピールしたかったらしい。
立候補の記者会見で「政策は今から勉強する」と、まるで頓珍漢な答えで顰蹙を買っていたが、それも宜なるかな
都政とは無関係な理由で立候補した鳥越なので、具体的な政策を準備しているはずがない。
 
しかしこの鳥越に関しては、本人よりもむしろ、こんな程度の人間を野党統一候補として祭り上げてしまった民進党共産党にこそ、一番の責任がある。
鳥越は、個人的に勝手に立候補し、個人で責任を取る泡沫候補ではなかった。
一応は日本の政治の一翼を担っている政党が、責任をもって推薦した候補者だったはずだ。
だから選挙期間中に鳥越が仕出かした醜態については、本人的は資質の問題に過ぎないが、推薦した政党には、製造者責任に匹敵するものがある。
とりわけ既に他の候補者が決まっていたのに、鳥越に鞍替えした当時の民進党党首、岡田克也長妻昭の政治センスのなさは、さすが民進党と皮肉を言いたくなる。
それまでずっとバックアップしてきたはずの宇都宮健児を切り捨ててまで、鳥越に賭けた共産党もまた似た様なモノだ。
都知事選で鳥越が小池百合子に完敗した後に、そのブレのない所作振る舞い、都知事選への政策準備から、実は宇都宮健児こそ野党統一候補に最も相応しかったことが分かった。
宇都宮では勝てないと見切って捨て去り、勝つのは鳥越と現金に乗り換えたのに、実は派手だった鳥越の中身はアッパカパーのパーで、地味な宇都宮の方こそしっかり勉強をしていた。
人を見る目がないのは政党としての致命的欠陥で、将にこれこそ共産党に対する皮肉そのものだ。
 
アメリカ共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ鳥越俊太郎と同じレベルだ。
今までも人種差別発言や、アメリカ・モンロー主義への回帰とも思われる時代遅れの政策を繰り返し訴えていたトランプは、その主張が余りにも型破りで突飛な極論であるが故に注目された。
当初は共和党泡沫候補扱いだったのに、次第に「彼の発言こそアメリカの本音」と支持が広がり、とうとう共和党の大統領候補の座を射止めてしまった。
ところがこの手の人間は、いくら着飾ってもボロは出る。
 
直近では、10年以上前の女性蔑視発言が大問題になり、共和党では候補者差し替えなどが画策されているらしい。
僕に言わせれば、「共和党員、今更何を言う!」だ。
トランプがこのような発言をするのは、とっくに織り込み済みのはずではなかったのか。
今回の女性蔑視発言なんか、むしろトランプの気質をそのまま表している。
トランプは、自分が思っていることを明け透けに喋っただけなので、謝罪などせずに、「俺はそう思っていたが、何が悪い」と開き直ればよかったのに。
トランプはありのままの姿を晒しているだけで、これもまたこれほどの問題児を、二年間の長時間を掛けてまでアメリカ大統領候補者に仕立て上げた、共和党の責任こそ重大だ。
 
こう見ると、日本の民進党共産党と同様に、アメリカの共和党もかなり劣化が進んでいる。
尤も、対する民主党候補者のヒラリー・クリントンもまた、叩けば埃塗れになる候補者らしい。
アメリカ大統領候補者の二人は、揃いも揃って稀代の嫌われ者らしいから、鳥越俊太郎を除いた東京都知事選挙候補者の方がまだマシだったとも考えられる。
それにしても、自他ともに認めていた「世界の警察官」アメリカだが、現状ではこんな程度の大統領候補しかいない。
となるとやはり日本は、アメリカなどに依存するのではなく、自分で自分を守る積りにならないと危険な時代になってきた。