いつもなら「Merry Christmas!」と書かれているはずなのにと、少々不思議な思いに駆られた。
続いてラジオ英会話レッスンを聞いていたら、最近は宗教上の配慮から「MerryChristmas!」の表現を避けていると解説していた。
なるほど、クリスマスは基本的にクリスチャンの為の祝祭日だ。
しかし移民の増加で、宗教も多様化している。
公共放送としては、キリスト教徒だけを対象にした表現は、何かと社会問題を引き起こすようだ。
海外では、イスラム教徒が爆発的に増えている。
一昔前までは、イスラム教徒側もクリスマスを無視していたし、平和共存を受け入れていたが、最近になって、クリスマスを祝うのは許すまじき行為と主張したり、クリスマスツリーを襲撃する動画がアップされている。
ムスリムの中で、いよいよクリスチャンを不倶戴天の敵ととらえる宗派が勢いを増しているようだ。
キリスト教徒は、わずか1%との統計がある。
それなのに、日本人の多くは不思議なことにクリスマスやクリスマスイブに大騒ぎをする。
これは、余りにも宗教に対して、無神経の度が過ぎると思う。
クリスマスは本来は、キリスト教徒が静かにキリストの降誕を祝う日のはずだ。
それがいつの間にか、商魂たくましい連中が売り上げ拡大を目指した結果、クリスマスイブにケーキを売りつけ、飲んで大騒ぎする、いかにも日本的なクリスマスの過ごし方が定着してしまった。
無論キリスト教徒が、自ら信じる神様に敬意を表するのは一向にかまわない。
しかし、日ごろはキリストの教えにまるで無関係な生活を送っているのに、この日だけ飲んで騒ぐのは、むしろキリスト教への冒涜ではないだろうか。
真剣に神様を信じているのは、キリスト教徒だけではない。
我々日本人だけは、実に無節操に何でも受け入れ、自分流に代えてしまう。
それは、技術を取り入れ、改良して日本式に代えてしまう商品のカイゼン(改善、改良)には大きな役割を果たしてきた。