しかし今度は、自民党側が預かり処分なので、最終決着まではまだ少し時間がかかりそうだ。
巷間伝わる話では、小池百合子は離党カード提出、自民党は処分のタイミングを計っていたとか、小池百合子の最終目標は総理大臣なので、その時には自民党からの支援が欲しいので自民党籍を残しておきたかったとか、様々に姦しい。
自らが顧問として主導してきた都民ファーストの支持率が、思いのほか伸びないことへの焦りも指摘されている。
しかしそもそも、あれだけ自民党と敵対しながら、自民党を離党しなかったのがおかしい。
そう言うと、敵対したのは自民党東京都連であり、安倍政権の自民党とは是々非々の関係などと解説されるが、都知事としての小池百合子は、ひたすら7月東京都議選で過半数を握るために、あらゆる政策を政治絡みにしてきた。
その為の仮想敵、抵抗勢力が自民党東京都連に仕立て、「悪の自民党」に戦いを挑むジャンヌ・ダルクを演じて人気を高めてきた。
そんな小池百合子と自民党の間に、信頼関係や協調などあり得ない。
小池百合子は都民ファースト代表に就任し、「東京大改革」を進める勢力で過半数確保を目指すらしい。
このオンナ、地方自治が全く分かっていない。
東京都政は二元代表制であり、都知事と都議会は相互監視しながら都政を進めていく。
小池百合子がやろうとしているのは、その二元代表制の否定であり、都政の全てを都知事の思うままに運営しようとするものだ。
そんな恐ろしい考えの東京都知事が、ポピュリズムだけで今の人気を維持できるはずがない・。
実際に冷静に振り返れば、今までの小池百合子は、「東京大改革」などと威勢のいいキャッチフレーズはあるが、都知事としての実績は皆無だ。
むしろ東京オリンピックの準備は停滞し、豊洲移転では無駄なハードルを掲げ続けたために既に百億円の費用が掛かっている。
僕は小池百合子が人気絶頂と時から、彼女も政治姿勢に対しては疑問を持ち、批判してきた。
自民党東京都連には、一回の負けは覚悟して、スジを通した小池百合子批判をすれば、自ずと道が開けると期待した。
実際には、当初はほぼ孤立無援と思っていたが、最近では、少なくともネットでは、小池百合子への批判が増えているし、自民党は惨敗、壊滅的敗北予想から、かなり持ち直しているようだ。
一方向かうところ敵なしと思われていた小池百合子も、余りにもアコギな政治姿勢に批判が集まり始め、昨年の勢いには陰りが出ている。
また都民ファーストと言っても、実態に政治経験があるのは民進党や自民党からの離脱者であり、後は「希望の塾」の塾生で、政策決定も覚束ない。
現に豊洲移転について、「都知事の判断に従う」などと、噴飯モノの政策を掲げて失笑を買っている。
また都民ファースト代表って、どのようなプロセスを経て小池百合子に決まったのだろうか?
小池百合子が「私ヨ!」と宣言すればそれだけで決まるのなら、政党の体を為していない独裁体制だ。
一か月後の東京都民の選択が、どちらに傾くのかは分からない。
いずれにしても、小池百合子の離党を機に、自民党と都民ファーストはガチンコ勝負となる。
小池百合子が自民党を離党したことで、その対立軸が明確になった。
ただ望むらくは、選挙結果で都民ファーストが張子の虎だったことが満天下に知れ渡ってほしい。