一つはウォーキングで、もう一つは英会話の勉強。
ウォーキングの歩数は色々と試行錯誤を重ねたが、三年目を迎え一日合計で10㎞、約1万3千歩を目標にした。
歩くコース,歩く時間もほぼ同じに決めた。
そうすると、ほとんど同じ場所で同好の士とすれ違う。
方向が逆なので、一日二回、多い時は三回も出会ってしまう。
風采の上がらない爺イ同士なので、いくら出会っても心がときめいたりはしない。
むしろバツが悪くて変な気分だが、相手もまた迷惑しているのだろう。
しょっちゅう出くわしても、オトコ同士なので、中々挨拶をする気にはならない。
拠って無言のまま、何事もないようにすれ違うのが常だ。
もう一つの英会話は、このウォーキングの最中にヘッドフォンで聞きながら勉強している。
NHKラジオ講座を6個、時間にして1時間5分分を録音し、口をモゴモゴしながら歩くのが日課だ。
仕事で現役の頃は,通勤時間が英会話勉強の場だった。
何せ50歳を過ぎてからの手習いなので、上達のスピードはまるで遅い。
それでも亀の歩きみたいに、コツコツと毎日繰り返してきたので、それなりに喋ることが出来るようになってきた。
最近は夫婦で海外旅行しても、コミュニケーションには不自由しなくなった。
その昔は、外国人との面談が嫌で嫌で仕方がなかったオトコにとっては、これは画期的だ。
僕の場合、昔から性格的に、飽きっぽいのが欠点だった。
何をやっても、長続きしない。
一応はヤル気になって道具を揃えるが、しばらくすると他のことに興味が移り、いつの間にか前のことを放ったらかしてしまう。
両親や教師からはいつも、「もっと辛抱して」と説教されたが、全く改善されなかった。
それがリタイアした後は、同じ趣味が3年間も持続している。
これは二つの趣味の併せ技の要素が、大きいような気がする。
各々が単独の趣味だったら、果たしてこれほど続いたのかは疑問だ。
例えば体調が思わしくなく、「今日はウォーキングはお休み」と思っても、英会話勉強のチャンスも一緒に消滅するのは忍びない。
英語を勉強するためには歩かないといけないと思い直し、少々の無理してもウォーキングを続けている。
年金暮らしなので、趣味に多額のコストは掛けられない。
その昔は一生の趣味と信じていたゴルフは、肉体的にも精神的にも健康にいいが、やはり一か月に二、三回が良い所だ。
その点、この二つの趣味とも、カネが掛からない。
身の程を知った趣味で、毎日の充実感も味わう。
体が動く間は歩き、アタマが働く間は英会話の勉強を続ける積りだ。