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茶番!緑のタヌキ劇場の幕間

僕は今、東京都民でなくて良かったと、心から思っている。
 
本来なら昨年11月、築地市場豊洲へ移転していたはずだ。
ところが鶴の一声ならぬ、「緑のタヌキの一吠え」で急きょ延期が決まった。
この時のタヌキの腹積りは、明々白々。
「安全性を掲げれば誰も反対できないし、盛り土ナシを公にすれば、憎っくき石原慎太郎にも、自民党都連にも、致命的な一泡を吹かせることが出来る」
 
実際に、緑のタヌキの思惑は大当たりだった。
この時点では、石原慎太郎がボケかかっていたし、肝心の東京都が毅然として「盛り土不要」を言い出せなかったのが痛かった。
世間は、盛り土のない豊洲は汚染の塊との風評被害が蔓延し、移転を延期した緑のタヌキ礼賛一色となった。
緑のタヌキは、更に念を入れた。
豊洲の安全性データが悪化するようにチェックのやり方を変え、「ほら豊洲ってこんなに危険な土地ですよ」とダメを押した積りだった。
 
ただ二つだけ計算違いがあった。
一つは技術委員会が、既に6千億円という巨額投資がなされている豊洲は、科学的に安全だと宣言したことだ。
汚染されている地下水や地下空間は、実際には豊洲での仕事には一切関係ない。
しかも近代科学技術を粋を集めた建物なので、使わないのはおかしいとの世論が起きた。
もう一つは、築地市場が汚染された土地であり、耐震構造もなく、且つアスベスト対策もないことがバレてしまったことだ。
豊洲のようなクローズ市場と違い、築地は吹き曝しなので、寧ろ食の安全からは築地の方が問題視された。
 
豊洲移転の方針を撤回し、築地市場再整備と打ち上げれば、7月東京都議選での都民ファースト圧勝は間違いないと思って、のらりくらりと結論を先延ばししてきた緑のタヌキに対して、「決められない知事」との批判が巻き起こったのも誤算だった。
結局追い込まれた緑のタヌキは、都議選公示の直前に「一旦豊洲に移転し、五年後に築地を食のパークとして再整備する」との、玉虫色の方針を発表した。
ただこんな案は、今までに何度も検討されながら、資金面の目処が付かずに見送られた代物だ。
大方の見方は、全ては都議選最優先の目晦まし作戦であり、
・とにかく一旦は築地から豊洲に移転(移転派は納得)
・5年後に築地再移転の可能性がある(移転反対派は期待)
と、移転派、残留派の両方にいい顔をしたに過ぎないと見透かされている。
現に記者会見でこの点を質問された緑のタヌキは、例によって訳の分からないゴマカシ返答で時間稼ぎに終始したし、移転賛成派、反対派の双方の評判も悪い。
寧ろ一旦築地から豊洲に引っ越した後に逆戻りするのは、業者にとって資金面でも、精神的にも簡単ではない。
その頃には全業者とも、すっかり豊洲に居ついてしまうとの予想が一般的だ。
何故なら、仮に緑のタヌキの説明通りになったら、至近距離に二つの市場が存在することになり、全く現実的ではないからだ。
 
10ヶ月に亘って大騒ぎしてきた緑のタヌキ劇場だが、今回も東京オリンピック会場問題同様,泰山鳴動してネズミも出ない結果となった。
この間無駄に投入された税金は300億円とも言われるし、今後も増え続けてしまう。
もしも今後、緑のタヌキの言った通りに築地を再整備などしたら、そこには更に天文学的な税金が投入されることになる。
これほどの無駄遣いをした緑のタヌキに対して、今でも「緑のタヌキのお陰で分かったことが多い」と、緑のタヌキを持ち上げる東京都民がいることが信じられない。
 
もう一度繰り返すが、僕は本当に東京都民でなくて良かった。