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前川喜平と加戸守行

NHKで閉会中審査を見た。
以前の記者会見で「証人喚問を受ける」と公言し、その場を設けようとしない与党自民党は後ろめたさがあるに違いないと、散々印象操作をされてきた。
また前川喜平が、「加計学園石破茂が設定した四条件を満たしていないのに、官邸トップの威光で行政が歪められた」と主張したことで、マスコミ挙って加計孝太郎理事長と腹心の友である安倍晋三首相の有形無形の依怙贔屓があったに違いないと騒ぎ立てた。
その前川喜平前次官が、国会に参考人として招致された。
 
民進党は、蓮舫党首自ら質問者を買って出た。 
しかし萩生田光一官房副長官の関与を印象付けようとしたものの、結局は水掛け論で、「時間が足りない」と恨み節を残して終わった。
青山繁晴自民党議員からは、「天下り先確保のために規制緩和しなかったのでは」と質問され、前次官は「それはありえない」と答えたが、実は文科省が認可権を振りかざしながら、天下り先を確保してきたのは厳然たる事実だ。
前川喜平前次官は「加計学園だけ新設認可のプロセスが不透明」と、滔々と持論を述べていた。
と、ここまでは、前川喜平の目算通りだったかもしれないが、この後、加戸守行前愛媛県知事が登場して様相が一変した。
 
文部省OBでもある加戸前知事は、「歪められた行政が正された」と、規制緩和に消極的だった文科省を批判し、「12年前に手を挙げてくれたのは加計学園だけ、愛媛県ではその時から加計学園ありきだった。この一年、二年で加計学園ありきではない」と言い切った。
また「自分の発言は都合の良い所だけ切り取られた。本当の事はユーチューブにしかない」と、痛烈にマスコミ報道を批判した。
この加戸守行前知事は、内容だけでなく、意見を述べる時の態度も秀逸で、感動的ですらあった。
規制緩和を標榜していた旧民主党、今の民進党こそ、前知事を全面的に支援するべきだと思うのだが。
 
本来ならNHKも、得意の切り貼りニュースでお茶を濁したかったのだろうが、閉会中審議の実況中継なので加戸守行前知事の発言が、そのまま放送されてしまった。
NHKは、内心は臍を噛む様な思いだっただろうが、如何ともしがたい。
実はこのマスコミ批判は、常日頃は安倍政権に近い報道をする産経新聞でも掲載していない。
マスコミにとっては、将に肺腑をえぐる、最も耳の痛い話だったようだ。
僕は最近では、テレビのワイドショーは見ないことにしているので、この加戸発言がどのように報じられたのかは知らない。
しかし恐らくは、マスコミ批判の部分は巧妙に避けているのではと推測している。
 
今回の閉会中審査を経ても、政府側の「疑惑がないモノは説明できない」主張と、「説明できないのは疑惑があるから」の野党の主張は、いつまで経っても平行線だ。
前川喜平元次官は、天下り斡旋の責任を取って辞任は自ら申し出たと発言したが、「彼は地位に恋々としがみついた」との意見もまた水掛け論で終わる。
しかし一点、出会い系バーへ通い詰めていたことを「調査」と言ったのは適切ではなかったと答弁したのは驚いた。
では彼は、一体何のために、出会い系バーの常連だったのか?
この間野党側は、前川喜平元次官を権力に立ち向かう正義の騎士と扱ってきた。
民進党阿部知子に至っては、「民進党党首に迎えたい」と、蓮舫の面子丸つぶれ発言までしている。
それほど高邁で、且つ文科省のトップだった御方が、売春や援助交際を疑われる場所を度々訪問したことを「調査」と言い訳したのも驚くが、それ以外の目的があったのなら是非とも教えて欲しい。
納得できる回答がなければ、前川喜平は全く信用できない。