このところずっと、猛暑の夏のトイレには悩んできた。
馬齢を重ねるに従い、キレが悪くなってきているからだ。
和式と違い洋式トイレなので、長時間座っていても体への負担は小さい。
冬場はこれで楽勝だが、猛暑の夏はそうはいかない。
何とかならないものかと、トイレクーラーを探し続けていた。
家電業者に尋ねると、「昔はパナソニックが販売していたけど、とっくに廃番になった」らしい。
僕と同じ悩みの人がいれば需要はあるだろうが、確かにそれ以降はどのメーカーも製造していない。
スポットクーラーで代替しようとも思いメーカーに問い合わせたが、「これは広い部屋で仕事する場合に、あるポイントだけを冷やす目的なので、その分、他の場所が暑くなる」らしく、トイレには不向きと判明。
やむなくネットオークションで、廃番になったナショナルトイレクーラーを探すことになった。
が、何せ廃番になって１０年以上も経過しているので、中々出品されないし、たまに見つけても価格が上がってしまう。
実は中古の場合、使用済み備品は使えない。
実際に出品者の説明には、「給水と排水用管の長さが不足の場合はホームセンターで購入して」と書いてあるが、同じものがある保証もない。
要は、入手出来ても、それがキチンと稼働するかどうかは分からないのだ。
そんなこんなで、どうにも手段のないまま、このニ、三年間が過ぎた。
ところがアラートをかけていたおかげで、今回、何と未使用品が出品されたことが判明。
取扱説明書までついていると言うので、「これこそラストチャンス！」と何が何でも落札を決め込んだ。
満を持して迎えた、緊張のオークション終了日。
理由は分からないが、この出品者が自動延長の措置をとっていなかったので、終了わずか１５秒前に思い切った価格を入札して、首尾よく落札。
しかもその落札価格は、思っていた予算よりもかなり安値だった。
掘り出し物とは、まさにこのことだ。
品物が手元に届くと、備品も見事に全部揃っている。
実際に現物を確認して分かったが、例えば給水管のシール用紙とか、留め具みたいなものがないと、いずれは水漏れの懸念がある。
やはり中古商品では、まともに稼働するかどうか分からない。
未使用品がゲットできたのは実にラッキーだったし、これなら取説に従えば、素人でも組み立てることが出来る。
さっそくトイレに設置してみた。
実際は、配管の長さ調節とか苦戦したが、一番の難敵は、タンクの中でクーラー用の水中ポンプが既存部品のブイの邪魔になり、水が流れっぱなしになる事だった。
しかしこれを、タンクの中に石を置いてポンプを固定することで解決。
悪戦苦闘の後で、冷風が噴出した時には大感激だった。
もう、長ッ尻を気にしなくて済む。
これでやっと、夏のトイレの暑さ対策ができた。
