昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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セッカチだけど鈍感

実は僕は、連続ドラマとか連載小説が大の苦手だ。
テレビで三か月クールのドラマさえもダメなので、NHKの朝ドラとか大河ドラマなんて、絶対に見ない。
全く同じ理由で、新聞の連載小説も読まない。
次の展開が翌日にならないと分からないのも我慢できないくらいだから、一週間も待たされるのは最初から御免被る。
テレビ連続ドラマを見るとしたら、精々総集編だけだし、連載小説は単行本が発刊されるまで待つ。
 
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が昨年に巷であれこれ評判だったのは聞いていた。
劇の最後の「恋ダンス」なんかは、忘年会の余興としても大人気だったらしい。
しかし上記の理由から、世間が大騒ぎしている頃はまるで蚊帳の外。
その「逃げ恥」がケーブルテレビで、一年遅れで再放送された。
昨年度社会ブームを引き起こしたほどのドラマなので、僕は全11話を録画して、一気に見た。
旬な話題にはついていけないデメリットはあるが、それでも待ちぼうけにイライラするよりマシだ。
 
ことほど左様に僕は大変セッカチだが、一方ではとっても鈍感だ。
いろんなことが、随分と時間が経過して分かってくる。
ただ、セッカチで損をしたことは多々あるが、鈍感さには救われたこともある。
 
会議の席上で、突如として最高責任者が怒り始めたことがある。
何だか、我々の仕事ぶりが気に入らなかったようだ。
彼が何を怒っているのか分からない僕は、どんなに怒鳴られても馬耳東風。
平然と受け流していたが、一年以上たった後に将に突然、あの怒りは実は僕に対してだったのではと思い至った。
そう言えば、僕の方を見ながら怒鳴っていたなと記憶が蘇ったからだ。
あの瞬間に、彼の怒りが僕に向かっていたことを知ったら凹んだかもしれないが、今更謝罪するのもおかしいし、どうにも手の打ちようがない。
 
他にも、会社の総務から「出張の時は格安料金を探して」との注意状が回ってきたので、「そうだ、そうだ」と賛成していたが、後に実は自分が一番通常料金の交通手段を利用していることに気が付いた。
これもまた、「過ちを改たむるに憚ることなかれ」と言っても、時間がかかり過ぎてどう仕様もない。
しかし、もしも注意状の対象が僕だと分かったら、「こっちにも言い分があるぞ、もしも格安手段を利用して事故が起きたらだれが責任をとるんだ」と言い返し、揉めたかもしれない。
鈍感で良かったと思う。
 
セッカチも鈍感も、基本的には損な性格だ。
しかしセッカチは他人を待たせることはないので、迷惑をかける可能性は少ない
鈍感は、他人をイライラさせるかもしれないが、自分はそれが分かっていないので平和な気分で煎れる。
僕は、世の中は一見不利に見えても、実は自然とバランスが取れていると思っている。