昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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キーホルダー悲話

歳は取りたくないものだ。
 
妻が外出したので、散歩を兼ねて、昼食はお気に入りの近所のラーメン屋へ。
食べ慣れた味に満足して帰宅したところ、ポケットの鍵がない。
当然ながら、家に入れない。
このままでは、その後の時間潰しのやりようがないし、何よりも夕方には帰宅する妻を駅まで迎えに行く約束も果たせなくなる。
 
玄関前で立ち尽くし、進退窮まってしまった。
 
先ずは冷静になって、どこで鍵を落としたのかを思い出す。
一番怪しいのは、当然ながらポケットから財布を取り出したラーメン屋だ。
逆に言うと、ここじゃなくて途中の道路だったりすると、発見するのが大変難しくなってしまう。
恐る恐る電話で確認すると、アッサリ「ありますよ」との答えで、安堵感よりもむしろ拍子抜けしてしまった。
 
実は僕のキーホルダーは、30年以上前に購入したグッチの商品だった。
確か、1万円ほどはしたと思う。
GUCCIマークがクルクル回転する代物で、手持無沙汰の時に手慰みになるのが気に入って使い続けてきた。
友人たちからも、「カッコイイな」と褒められていた。
しかし今回の一件で、このキーホルダーは、落とした時に音が出ない欠点があることが判明した。
 
しからばと、少々嵩張るが、落とした時にそれなりの音が出るモノを追加で取り付けよう。
そこでインターネットを調べると、5百円ほどの価格で「雪ん子」こけし付きの鈴を見つかった。
早速これを購入し、晴れて落とし物対策が出来た。
 
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しかしこれは、小学生や幼稚園児が鍵を落とさないようにと、首からぶら下げているのと大差ない。
改めて、歳をとると言うことは、先祖返りをすることと分かる。
いつまでも健康で長生きなんて夢見ていたが、実際はドンドン幼稚化し、最後はボケてしまう。
そんな悲しい運命を、一歩一歩進んでいる。
 
GUCCIから「雪ん子」に代わったキーホルダーは、悲しいオトコの溜息のような音を奏でている。